マツダのCX-5は、その洗練されたデザインと高い走行性能で多くのファンを魅了しているSUVです。ドライブを楽しみながら、そのまま好きな場所で夜を明かす車中泊にも挑戦したいと考えている方は多いのではないでしょうか。しかし、実際にシートを倒してみると、どうしても気になってしまうのが後部座席とラゲッジルームの間に生じる「段差」や「傾斜」です。
せっかくの車中泊も、体が痛くて眠れないようでは楽しさが半減してしまいます。この記事では、CX-5で車中泊を楽しむために欠かせない段差解消のテクニックを詳しく解説します。初心者の方でもすぐに実践できる簡単な方法から、本格的なDIYまで幅広くご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。快適なフルフラット空間を手に入れて、CX-5での旅をもっと充実させましょう。
CX-5の車中泊で気になる段差解消の必要性

CX-5は後部座席を前方に倒すことで広いスペースを確保できますが、完全に水平な床面になるわけではありません。ここでは、なぜ段差を解消することが大切なのか、その理由を詳しく紐解いていきます。まずは現状を正しく把握し、自分に合った対策を検討してみましょう。
シートを倒したときに生まれる段差の正体
CX-5の後部座席を倒すと、荷室(ラゲッジルーム)の床面と、倒した背もたれの裏側の間に数センチの段差が生じます。現行のKF型でも先代のKE型でも、シートの厚みや構造上の都合で、どうしても背もたれ側が少し高くなってしまうのです。このわずか5センチから10センチ程度の段差が、実際に横になったときには想像以上の違和感として伝わってきます。
また、段差だけでなく、倒した背もたれ自体が緩やかな坂のように斜めになっている点も注意が必要です。これがいわゆる「傾斜」と呼ばれるもので、頭をどちらに向けるかによって寝心地が大きく変わります。フラットに見えても、人間の体は微妙な凹凸や傾きを敏感に感じ取ってしまうため、適切な対策が必要になります。
段差が睡眠の質や体に与える影響
段差や傾斜がある状態で無理に寝ようとすると、腰や肩に特定の負担が集中してしまいます。特に腰の部分に段差が当たると、翌朝起きたときにひどい腰痛に悩まされることも少なくありません。車中泊を数日間続ける場合は、この小さなストレスが蓄積され、疲労が取れないまま運転を続けることになり、安全性にも影響を及ぼします。
人は睡眠中に何度も寝返りを打ちますが、凹凸がある環境では寝返りがスムーズに打てず、眠りが浅くなってしまいます。深く質の良い睡眠をとるためには、自宅のベッドに近い平らな環境をいかに再現できるかが重要なポイントです。段差をしっかり埋めることは、翌日のドライブを心から楽しむための準備とも言えるでしょう。
荷物の安定性と居住空間の向上
段差を解消するメリットは、寝心地の改善だけではありません。床面をフラットに整えることで、荷物を置いたときの安定性が格段に向上します。デコボコした床面では、置いたバッグが滑り落ちたり、飲み物を置く場所にも困ったりしますが、水平な面があれば小さなテーブルを置くことも可能になります。
また、空間が平らになることで、車内での移動がスムーズになり、着替えや食事の際にもストレスを感じにくくなります。CX-5の限られた室内空間を最大限に活用するためには、床面を均一に整えることが居住性を高める一番の近道です。自分だけの「移動する小部屋」を快適にするために、まずは土台作りから始めてみましょう。
CX-5の段差をフラットにする具体的な3つの方法

CX-5の段差を解消してフラットな空間を作るには、いくつかの代表的なアプローチがあります。自分の予算や手間をかけられる時間、そして求める快適さのレベルに応じて、最適な方法を選んでみましょう。ここでは、代表的な3つの対策について具体的に紹介します。
厚手の車中泊専用マットを導入する
もっとも手軽で効果が高い方法が、車中泊専用に設計された厚手のマットを使用することです。キャンプ用の薄いマットではなく、厚さが8cmから10cmほどある「インフレーターマット」を選ぶのがコツです。この厚みがあれば、下の段差をマットのクッション性が吸収してくれるため、敷くだけで不快な凹凸がほとんど気にならなくなります。
最近では、バルブを開くだけで自動的に空気が入るタイプが多く、準備や片付けも非常に簡単です。CX-5の室内の幅に合わせてシングルサイズを2枚並べるか、ワイドサイズを1枚用意すれば、隙間なく床面をカバーできます。収納時はコンパクトに丸められるため、走行中の荷物にならない点も大きな魅力と言えるでしょう。
クッションやタオルで隙間をピンポイントに埋める
コストを抑えたい場合や、家にあるもので対策したい場合は、クッションやバスタオル、毛布などを活用する方法があります。シートを倒したときにできる段差の「低い方」にこれらを敷き詰め、高い面と同じ高さになるまで調整します。この上から薄手のマットやラグを敷くことで、簡易的なフラット空間を作ることができます。
この方法のポイントは、柔らかすぎるクッションを使わないことです。体重がかかったときに潰れてしまうと、結局段差が復活してしまいます。座布団や固めのウレタン素材などを組み合わせ、しっかりと「面」を作るイメージで配置していきましょう。微調整が利くため、自分にぴったりの高さを作り出せるのがこの方法のメリットです。
市販の段差解消ブロックやクッションを活用する
カー用品店などで販売されている「段差解消クッション」を使用するのも賢い選択です。これは、車のシートの凹凸を埋めるために特定の形状で作られた固めのクッションです。CX-5のラゲッジ部分とシートの隙間にぴったりとはまるサイズのものを選べば、驚くほど簡単に平らな面が完成します。
CX-5専用として販売されている商品もありますが、汎用品でもサイズが合えば十分に機能します。特に、背もたれが斜めになっている部分に置く「ウェッジ型(くさび型)」のクッションは、傾斜を緩和するのに非常に役立ちます。マットと併用することで、より完璧に近いフルフラットな寝床を作り上げることができるでしょう。
段差解消方法の比較
| 方法 | 手軽さ | フラット度 | コスト |
|---|---|---|---|
| 厚手マット | ◎ | ◯ | 中〜高 |
| クッション・タオル | ◯ | △ | 低 |
| 解消ブロック | ◯ | ◎ | 中 |
段差解消に最適なマット選びのポイント

CX-5での車中泊において、マット選びは睡眠の質を左右するもっとも重要な要素です。段差を物理的に埋めたとしても、その上に敷くマットが適切でなければ、快適な朝を迎えることはできません。ここでは、CX-5に最適なマットを選ぶための具体的な基準を解説します。
厚みは「8cm以上」を目安にする
CX-5の段差を完全に消し去るためには、マットの厚みが重要な鍵を握ります。一般的に、5cm程度のマットでは体重がかかった際に下の段差を感じてしまう「底付き感」が出やすくなります。そのため、厚さ8cmから10cm程度のスペックを持つマットを選ぶことを強くおすすめします。
厚みがあればあるほど、シートの傾斜や細かい凹凸をマットの中で吸収してくれるため、フラット感が増します。また、厚いマットは断熱性能も高いため、冬場の車中泊で車内の床から伝わってくる底冷えを防ぐ効果もあります。快適さを最優先するのであれば、この厚み選びには妥協しないことが成功のポイントです。
CX-5の室内幅に合わせたサイズ確認
CX-5の荷室幅は約100cm〜105cm程度です。一人で寝る場合は幅60cm前後のシングルサイズで十分ですが、二人で寝る場合は注意が必要です。ダブルサイズのマットを無理に押し込むと、サイドにシワが寄ってしまい、かえって寝心地が悪くなることがあります。また、ホイールハウス(タイヤの出っ張り)の間の寸法も考慮しなければなりません。
おすすめは、幅50cm〜60cm程度のマットを2枚並べるスタイルです。これならば、一人での使用時は1枚、二人の時は2枚と使い分けができますし、車内の形状に合わせて微調整もしやすくなります。長さについては、180cm〜190cm程度あれば、前席を前にスライドさせた状態でゆったりと足を伸ばして寝ることが可能です。
素材選びとメンテナンスのしやすさ
マットの素材には、空気を吹き込むだけのエアベッドタイプと、ウレタンフォームが内蔵されたインフレータータイプがあります。車中泊には、安定感があり揺れの少ないインフレータータイプが最適です。エアベッドは体が沈み込みすぎたり、寝返りのたびに音がしたりすることがありますが、ウレタン入りなら自宅の敷布団に近い感覚で眠れます。
また、車内は意外と汚れやすいため、カバーを外して洗えるタイプや、表面をサッと拭き取れる素材のものを選ぶと清潔に保てます。結露でマットが濡れてしまうこともあるので、速乾性や防カビ加工が施されているものを選ぶと、長期間愛用できるでしょう。収納時のサイズも確認し、CX-5のラゲッジ下に収まるかどうかチェックしておくのも忘れずに。
マットの空気圧を調整することで、自分好みの硬さに変えることができます。パンパンに膨らませるよりも、少し空気を抜いた方が段差に馴染みやすくなる場合もあります。
DIYでCX-5をフルフラットにする手順とコツ

市販のアイテムだけでは満足できない、あるいはもっと完璧なフラット空間を目指したいという方は、DIYに挑戦してみるのも一つの手です。木材を使って床面を底上げすることで、完全に水平な寝床を作ることができます。ここでは、初心者でも取り組みやすいCX-5のフルフラット化の手順を紹介します。
ホームセンターで買える材料の選定
DIYの基本となる材料は、強度があり加工しやすい「合板(ベニヤ板)」です。厚さは12mm程度あれば、大人が寝てもしなる心配が少なくなります。板の表面にクッション性を出すために、チップウレタンや銀マットを重ね、仕上げにフェイクレザー(合皮)やカーペット生地をタッカーで固定すると、高級感のある仕上がりになります。
土台部分には、高さを調整しやすい「プラスチック製のアジャスター」や、木製の角材を使用します。CX-5のラゲッジルームの形状に合わせて、高さを微妙に変える必要があるため、ネジで高さを微調整できるパーツがあると非常に便利です。材料費は市販の高級マット1枚分程度で収まることも多く、コストパフォーマンスにも優れています。
実際の採寸とカットの注意点
もっとも重要な工程は、正確な採寸です。CX-5の室内は直線だけでなく、サイドパネルに曲線があるため、新聞紙や段ボールを使って「型紙」を作ると失敗を防げます。特にホイールハウス付近の複雑な形状は、型紙を当てながら少しずつ微調整していきましょう。板を1枚で作るのではなく、2分割や3分割にして制作すると、車内への持ち込みや収納が楽になります。
カットした板の角は必ずやすりで滑らかにし、車内の内装を傷つけないように保護します。また、シートを倒した際のヘッドレスト部分やセンターコンソールとの干渉も考慮して設計してください。実際に板を置いてみて、水平器を使って本当にフラットになっているかを確認しながら、土台の高さを調整していくのがコツです。
安全面と使い勝手を考慮した仕上げ
完成したボードが走行中に動かないよう、固定方法も考えておきましょう。ラゲッジにあるフックを利用して紐で固定したり、裏面に滑り止めシートを貼ったりするだけでも効果があります。万が一の急ブレーキ時にボードが前方に飛び出さないよう、安全対策には万全を期してください。また、ボードの下に隙間ができる場合は、そこを収納スペースとして活用できるような設計にすると便利です。
仕上げの生地選びでは、汚れが目立ちにくい色や、摩擦に強い素材を選びましょう。合皮素材であれば、飲み物をこぼしても拭き取るだけで済みます。DIYの良いところは、自分の身長や寝方に合わせて、枕元の高さを少しだけ高くするなど、世界に一つだけのカスタムができる点にあります。手間はかかりますが、完成した時の達成感と快適さは格別です。
CX-5の室内サイズを最大限に活かすレイアウト術

段差解消が完了したら、次はCX-5の限られたスペースをどう使うかがポイントになります。室内サイズを有効に活用することで、車中泊の快適度はさらに跳ね上がります。CX-5ならではのレイアウトのコツを押さえて、広々とした居住空間を作り上げましょう。
前席をスライドさせて最大長を確保する
CX-5の荷室から倒した後部座席までの長さは約160cm〜170cm程度で、大人が足を伸ばして寝るには少し物足りない場合があります。ここで重要なのが、運転席と助手席を一番前までスライドさせることです。これにより、後部座席の後ろに約20cm〜30cmほどの追加スペースが生まれます。この隙間をバッグや専用のクッションで埋めることで、全長190cm近い寝床を確保できます。
背が高い方でも、このレイアウトなら斜めに寝る必要がなくなり、真っ直ぐゆったりと休むことができます。ただし、前席を動かすとコンソール付近に大きな溝ができるため、ここをどう平らにするかが腕の見せ所です。市販の「コンソール埋めクッション」などを使えば、頭側を安定させてぐっすり眠れるようになります。
天井高と圧迫感を軽減する工夫
CX-5はSUVであるため、ミニバンに比べると天井が低めです。厚すぎるマットを敷いたり、高い底上げ台を作ったりすると、座った時に頭が天井に当たってしまい、圧迫感を感じることがあります。寝るだけのスペースと割り切るなら良いですが、車内で食事や読書を楽しみたい場合は、床面から天井までの距離をできるだけ確保するバランスが重要です。
圧迫感を抑えるためには、車内の色使いを明るくしたり、窓をサンシェードで覆う際に少し隙間を作って視覚的な広がりを持たせたりするのが効果的です。また、ランタンなどの照明を高い位置に吊るすのではなく、足元やサイドに配置することで、天井付近をスッキリ見せることができます。物理的な広さだけでなく、心理的な広さを演出する工夫も取り入れてみましょう。
効率的な荷物の配置と収納のコツ
車中泊では、寝るスペースを確保するために「荷物の置き場所」が大きな課題となります。寝るときは全ての荷物を前席(運転席・助手席)に移動させるのが基本のスタイルです。ダッシュボードの上や足元スペースをフル活用し、寝るスペースには一切荷物を置かないことで、CX-5の室内を広々と使うことができます。
また、ルーフキャリアを装着して外に荷物を出すのも一つの手段ですが、防犯面が気になる場合は、車内の窓枠に沿ったネット収納などを活用しましょう。小物はサイドのポケットや、自作したボードの下の隙間に整理して収納します。必要なものがすぐに手に取れ、かつ寝るスペースを邪魔しない「整理整頓」こそが、快適な車中泊レイアウトの極意です。
CX-5(KF型)の室内参考サイズ
| 箇所 | 寸法(目安) |
|---|---|
| 荷室最大幅 | 約1,050mm |
| 後席から荷室端までの長さ | 約1,650mm |
| 前席スライド時の最大長 | 約1,900mm |
| 床から天井までの高さ | 約750mm〜800mm |
CX-5の車中泊を成功させる段差解消のまとめ
CX-5で車中泊を楽しむための段差解消法について、さまざまな角度から解説してきました。スタイリッシュなSUVであるCX-5も、少しの工夫と適切なアイテム選びによって、驚くほど快適なプライベート空間へと生まれ変わります。まずは、自分がどのようなスタイルで車中泊を楽しみたいかをイメージすることから始めてみてください。
手軽さを求めるなら、8cm以上の厚手インフレーターマットを導入するのが一番の近道です。コストを抑えつつ理想のフラットさを追求したいなら、クッションの併用やDIYに挑戦してみるのも良いでしょう。どの方法を選んでも、大切なのは「水平に近い環境」を作ること、そして「自分の体に合った寝床」を整えることです。
段差が解消されたCX-5は、単なる移動手段を超えて、心からリラックスできる最高の旅のパートナーになります。週末の夜、お気に入りのギアを積み込んで、これまで見たことのない景色を探しに出かけてみませんか。しっかりとした準備が、あなたのドライブをより豊かで思い出深いものに変えてくれるはずです。この記事を参考に、ぜひあなただけの快適な車中泊スタイルを完成させてください。



