コンパクトSUVとして人気の日産キックス。「デザインや燃費は気に入っているけど、車中泊はできるのかな?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。結論から言うと、日産キックスでの車中泊は、いくつかの工夫をすることで十分に可能です。
この記事では、日産キックスで車中泊を検討している方のために、室内の広さやシートアレンジの方法、快適に過ごすためのコツ、あると便利なグッズ、そして注意点まで、あらゆる情報を網羅してやさしく解説します。この記事を読めば、あなたもキックスで快適な車中泊デビューができるはずです。さあ、自由な旅に出かける準備を始めましょう!
日産キックスの車中泊性能をチェック!広さやシートアレンジは?

まずはじめに、日産キックスが車中泊をする上でどれくらいのポテンシャルを持っているのか、具体的な寸法やシートアレンジの方法を見ていきましょう。
荷室(ラゲッジスペース)のサイズと寸法
日産キックスの荷室は、コンパクトSUVの中でも広い部類に入ります。具体的な寸法は以下の通りです。
- 荷室長(後部座席使用時): 約900mm
- 荷室最大幅: 約1,265mm
- 荷室高: 約927mm(2WD車)/ 約737mm(4WD車)
- 荷室容量: 423L(2WD車)/ 276L(4WD車)
後部座席を立てた状態でもスーツケースが複数入る広さがあり、日常使いはもちろん、旅行の際の荷物もしっかりと積むことができます。
後部座席を倒した時の広さと快適性
車中泊で最も重要なのが、足を伸ばして寝るスペースを確保できるかどうかです。キックスの後部座席は「フォールダウン」という方式で、背もたれを前に倒すことができます。
後部座席を倒すと、荷室の奥行きは約1,730mmまで広がります。 身長175cmの方でも比較的ゆとりを持って横になれるスペースが生まれます。
ただし、完全に平らな「フルフラット」にはならず、荷室との間に約15cmほどの段差が生じてしまいます。 この段差が、キックスで快適に車中泊をするための最大のポイントとなります。
フルフラットは可能?大きな段差と傾斜が課題
前述の通り、キックスは後部座席を倒しただけでは残念ながらフルフラットにはなりません。 荷室の床面と、倒した背もたれの間に significant な段差ができてしまうのです。
この段差をそのままにして寝てしまうと、体が「くの字」に曲がってしまい、安眠できないばかりか体を痛めてしまう原因にもなります。 したがって、キックスで快適な車中泊を実現するためには、この段差をいかに解消するかが重要になってきます。 次の章では、この段差解消法を含め、快適な空間を作るための具体的な工夫について詳しく解説していきます。
日産キックスで快適な車中泊を実現する3つのコツ

キックスのシートアレンジには段差という課題がありますが、いくつかのアイテムや工夫で乗り越えることができます。ここでは、快適な寝床を作るための具体的な方法を3つのポイントに分けてご紹介します。
【最重要】段差を解消してフラットな寝床を作る方法
キックスの車中泊で最も重要なのが段差の解消です。 約15cmの段差を埋めることで、驚くほど快適な就寝スペースが生まれます。
市販の段差解消マット・クッションを使う
最も手軽な方法は、市販されている車種専用、あるいは汎用の段差解消マットやクッションを利用することです。 これらはシートの凹凸に合わせて設計されているものが多く、置くだけで簡単にフラットな空間を作り出せます。 特にキックス専用に設計された製品は、隙間なくフィットするためおすすめです。
DIYで自作する
費用を抑えたい方や、自分だけのオリジナル空間を作りたい方は、DIYに挑戦するのも良いでしょう。ホームセンターで手に入る「すのこ」やベニヤ板、収納ボックスなどを組み合わせることで、段差を解消できます。 例えば、高さが合う収納ボックスを複数並べて土台とし、その上に板を渡して自作のベッドキットを作成しているユーザーもいます。 この方法なら、ベッド下の空間を収納スペースとして有効活用できるというメリットもあります。
寝心地を劇的にアップさせるマットの選び方
段差を解消して平らなベースができたら、次はその上に敷くマットにこだわりましょう。マット一枚で寝心地は大きく変わります。
車中泊用マットの種類
車中泊用のマットには、主に以下の3つのタイプがあります。
- インフレーターマット: バルブを開くと自動で空気が入るタイプ。クッション性が高く、寝心地が良いのが特徴です。収納時は空気を抜いてコンパクトにできます。
- エアマット: 空気入れで膨らませるタイプ。厚みを出しやすく、地面の硬さを感じにくいですが、穴が開くと使えなくなるリスクもあります。
- 高反発・低反発ウレタンマット: 家のマットレスのように使えるタイプ。寝心地は安定していますが、収納時にかさばる傾向があります。
選ぶ際のポイント
キックスで使うマットを選ぶ際は、厚さが重要です。最低でも5cm、できれば10cm程度の厚みがあると、シートのわずかな凹凸も感じにくく、快適に眠れます。 また、収納時のサイズも考慮し、車内に無理なく積めるものを選びましょう。
プライバシー確保と換気の両立
快適な睡眠には、プライバシーの確保と適切な換気も欠かせません。
シェードやカーテンで外からの視線をブロック
車中泊をする際は、窓をすべて覆うことができるサンシェードやカーテンを用意しましょう。 これらは外からの視線を遮るだけでなく、断熱効果によって車内の温度変化を和らげたり、街灯などの光を遮って安眠を助ける効果もあります。 キックスの窓の形に合った専用品を選ぶと、隙間なくきれいに取り付けられます。
換気のための工夫
就寝中は、人間の呼吸によって車内の二酸化炭素濃度が上がり、窓も結露しやすくなります。これを防ぐために、少しだけ窓を開けて換気することが大切です。しかし、窓を開けっ放しでは防犯面や虫の侵入が心配です。
そこで役立つのが網戸(ウィンドウネット)です。窓枠にかぶせるタイプの網戸を使えば、虫の侵入を防ぎながら安全に換気ができます。 また、ドアバイザーが付いていれば、雨の日でも少し窓を開けておくことが可能です。
日産キックスの車中泊であると便利な厳選グッズ

基本的な寝床の準備ができたら、次は車中泊をさらに快適にするための便利グッズを揃えていきましょう。ここでは、特におすすめのアイテムを厳選してご紹介します。
【必需品】快眠のための寝具類
快適な睡眠のためには、マットの上に敷く寝具が重要です。季節や好みに合わせて選びましょう。
寝袋(シュラフ)
寝袋は布団に比べてコンパクトに収納できるため、車中泊の必需品です。 季節に合わせて適切なものを選ぶことが大切で、主に「マミー型」と「封筒型」の2種類があります。
- マミー型: 体にフィットする形状で保温性が高いのが特徴。冬場の寒い時期の車中泊に向いています。
- 封筒型: 布団のようにゆったりと使えるのが特徴。手足を自由に動かしやすく、温度調節もしやすいため、初心者にもおすすめです。
枕(ピロー)
自宅で使っている枕を持っていくのも良いですが、荷物をコンパクトにしたい場合は、空気で膨らませるタイプのエアピローや、ウレタン製のコンパクトピローが便利です。 枕があるだけで睡眠の質が格段に向上します。
ブランケット・タオルケット
寝袋と合わせて、あるいは寝袋の代わりにブランケットやタオルケットがあると、細かな温度調節がしやすくて便利です。 夏場はタオルケット1枚で十分な場合もありますし、冬場は寝袋の上に掛けることでさらに暖かく過ごせます。
【快適性アップ】電源と灯りの確保
夜間の車内で快適に過ごすためには、電源と照明が欠かせません。
ポータブル電源
スマートフォンやPCの充電、電気毛布、小型の扇風機など、電化製品を使いたい場合に大活躍するのがポータブル電源です。 容量は用途によって様々ですが、一泊程度の車中泊であれば、スマートフォンの充電が数回でき、LEDランタンを一晩中つけておける程度の容量(300Wh前後)があれば安心です。
LEDランタン
車内の照明には、火を使わないLEDランタンが安全でおすすめです。 磁石で車内の金属部分に取り付けられるタイプや、吊り下げられるフックが付いているタイプなど、様々な種類があります。明るさを調節できるものを選ぶと、就寝時の常夜灯としても使えて便利です。
【その他】あると重宝する小物たち
最後に、なくても車中泊はできるけれど、あると格段に便利になる小物類をご紹介します。
テーブル
車内で食事をしたり、ちょっとした作業をしたりする際に、折りたたみ式のコンパクトなテーブルがあると非常に便利です。
ウェットティッシュ・ゴミ袋
食事の際に手を拭いたり、車内を清潔に保ったりするために、ウェットティッシュは多めに用意しておくと安心です。また、車中泊で出たゴミは必ず持ち帰るのがマナーなので、ゴミ袋も忘れずに準備しましょう。
耳栓・アイマスク
サービスエリアや道の駅など、周りに他の車がいる場所で車中泊をする場合、人の話し声や車のドアの開閉音、外灯の光などが気になることがあります。 音や光に敏感な方は、耳栓やアイマスクがあると、より深く眠りにつくことができます。
日産キックスで車中泊する際の注意点

手軽に楽しめる車中泊ですが、安全で快適な時間を過ごすためには、いくつか知っておくべき注意点があります。特にキックスならではのポイントも含めて解説します。
e-POWER特有のエンジン音について
キックスは、エンジンで発電し、モーターで走行する「e-POWER」というシステムを搭載しています。 そのため、停車中にバッテリーの残量が少なくなると、充電のために自動的にエンジンが始動します。
深夜の静かな場所では、このエンジン音が自分自身やまわりの人の迷惑になってしまう可能性があります。これを避けるために、キックスには「マナーモード」という機能が搭載されています。 マナーモードをONにしておくと、バッテリー残量がある限りエンジンがかからなくなり、静かな夜を過ごすことができます。 ただし、バッテリーを使い切ると強制的にエンジンが始動するため、ポータブル電源などを活用して、車載バッテリーへの負荷を減らす工夫も有効です。
エコノミークラス症候群を防ぐために
エコノミークラス症候群は、長時間同じ姿勢でいることで足の血流が悪くなり、血の塊(血栓)ができてしまう病気です。これは飛行機だけでなく、車中泊でも起こりうるリスクです。
これを防ぐためには、以下の点を心がけましょう。
- 足を伸ばして寝る: キックスの車内スペースは限られていますが、段差を解消し、できるだけフラットな状態で足を伸ばして寝ることが重要です。
- 適度な水分補給: 就寝前や起床後にコップ一杯の水を飲むなど、こまめな水分補給を心がけましょう。
- 軽い運動: 時々車外に出てストレッチをしたり、足首を回したりするなどの軽い運動を取り入れ、血行を促進させましょう。
車中泊が許可されている場所を選ぶ
車中泊はどこでもして良いわけではありません。「道の駅」や「サービスエリア」は、あくまで休憩施設であり、多くの場合、宿泊(車中泊)は公式には認められていません。仮眠は黙認されていることが多いですが、長期間の滞在や、車外にテーブルや椅子を出すなどのキャンプ行為は絶対にやめましょう。
安心して車中泊を楽しむためには、RVパークやオートキャンプ場など、公式に車中泊が許可されている施設を利用するのが最も安全で確実です。これらの施設は、有料ですがトイレやゴミ捨て場、場所によっては電源や入浴施設も完備されており、快適に過ごすことができます。事前にルールをしっかり確認し、マナーを守って利用しましょう。
日産キックスの車中泊に関するQ&A

ここでは、日産キックスの車中泊に関してよくある質問とその答えをまとめました。
Q1. 実際、何人で寝ることができますか?
A. 快適に寝られるのは、大人1人が基本と考えるのが現実的です。
後部座席を倒したスペースの幅は、タイヤハウスの出っ張りなどもあり、最も狭い部分で約1,000mmを下回ります。 大人2人で寝るにはかなり窮屈に感じるでしょう。荷物の置き場所も考慮すると、ソロでの利用が最も快適です。 小柄な大人2人や、大人1人と子供1人であれば可能かもしれませんが、その場合は荷物を前席に移動させるなどの工夫が必要になります。
Q2. 車中泊時の燃費はどれくらいですか?
A. キックスのカタログ燃費(WLTCモード)は、2WD車で23.0km/L、4WD車で19.2km/Lです。 実燃費は運転の仕方やエアコンの使用状況によって変動しますが、おおむね18km/L〜22km/L程度という声が多いようです。
e-POWERは、特に市街地走行のようなストップ&ゴーが多い場面で燃費性能を発揮しやすい特性があります。 車中泊でアイドリング(エンジンをかけたまま停車)してエアコンなどを使用すると燃費は悪化しますが、エンジンでの発電効率が良いため、従来のガソリン車と比較すると燃料の消費は抑えられる傾向にあります。
Q3. 純正オプションや社外品で便利なアクセサリーはありますか?
A. 現時点(2025年8月時点)で、日産からキックス専用の車中泊に特化した純正アクセサリー(ベッドキットなど)は販売されていません。
しかし、社外品ではキックス専用のアクセサリーが多数販売されています。特に便利なのが、窓にぴったりフィットする車種専用サンシェードや、シートの段差を解消するために設計された専用マットです。 これらを利用することで、快適な車中泊空間をより手軽に作ることが可能です。また、DIYでベッドキットを作成しているユーザーも多く、インターネットで検索すると様々なアイデアを見つけることができます。
まとめ:日産キックスでの車中泊は工夫と準備で楽しさ無限大!

今回は、日産キックスでの車中泊について、その可能性と快適に過ごすための方法を詳しく解説しました。
キックスは後部座席を倒した際に大きな段差ができてしまうため、そのままでは快適な車中泊は難しいかもしれません。 しかし、市販の段差解消グッズやDIYでその課題をクリアすれば、大人1人が十分に足を伸ばして休める快適な空間を作り出すことが可能です。
ポータブル電源やLEDランタン、寝袋などの便利グッズを揃え、プライバシー確保や換気の工夫をすることで、その快適性はさらに向上します。 また、e-POWERの特性を理解し、マナーを守って場所を選べば、安全で楽しい車中泊の旅が実現できるでしょう。
コンパクトなボディでありながら、工夫次第で秘密基地のような空間に変わる日産キックス。この記事を参考に、あなただけのオリジナル車中泊スタイルを見つけて、自由な旅に出かけてみてはいかがでしょうか。


