車中泊の旅を計画しているけれど、「もう少し快適なリビングスペースが欲しい」「着替えや荷物整理のプライバシーが気になる」と感じていませんか?そんな悩みを解決してくれるのがバックドアテントです。バックドアテントとは、その名の通り車のバックドア(リアゲート)に連結して使うテントのこと。
いつもの車中泊スペースに、あっという間に広々とした居住空間を追加できる優れものです。この記事では、バックドアテントがなぜ多くの車中泊ファンに支持されているのか、その魅力から、後悔しないための選び方、そして安全に楽しむための注意点まで、初心者の方にもわかりやすく徹底的に解説していきます。あなたの車中泊スタイルを、もっと自由に、もっと快適に変えてみませんか?
バックドアテントとは?車中泊の新しいスタイル

近年、車中泊の人気が高まる中で注目を集めているのが「バックドアテント」です。 車に連結させることで、手軽に居住空間を拡張できるこのアイテムは、車中泊の快適性を格段に向上させてくれます。まずは、バックドアテントがどのようなものなのか、基本的な特徴から見ていきましょう。
車のバックドアに連結するテント
バックドアテントは、ミニバンやSUV、ステーションワゴンなどの跳ね上げ式(スイングアップ式)のバックドアを持つ車に取り付けて使用するテントです。 車の荷室部分とテントを一体化させることで、車内と屋外をスムーズに行き来できる空間を生み出します。
製品によって取り付け方法は様々ですが、多くはテント本体をバックドアに被せ、ベルトや吸盤、ポールなどを使って車体に固定する簡単な構造になっています。 これにより、車内を寝室、テント部分をリビングといったように、スペースを有効活用できるようになります。 海水浴やアウトドアスポーツの際の着替えスペースとしても重宝します。
バックドアテントが注目される理由
バックドアテントが注目される最大の理由は、その手軽さと快適性の両立にあります。従来のキャンプのように、一から大きなテントを設営するのは時間も手間もかかりますが、バックドアテントなら最短5分ほどで設営できるモデルもあります。
また、車と連結しているため、わざわざ靴を履いて外に出なくても、車内の荷物をテント内に持ち出したり、その逆も簡単に行えます。 特に、天候が変わりやすいアウトドアシーンにおいて、雨風をしのぎながら車とテントの間を移動できるのは大きなメリットです。 このように、車中泊の手軽さを損なうことなく、プラスアルファの快適な空間を提供してくれる点が、多くのユーザーから支持される理由と言えるでしょう。
カーサイドタープとの違い
バックドアテントとよく比較されるアイテムに「カーサイドタープ」があります。カーサイドタープは、主に車の側面に取り付けて日よけや雨よけのスペースを作るものです。リビングスペースを作るという点では似ていますが、大きな違いは壁の有無です。
カーサイドタープが基本的に屋根とポールで構成されるのに対し、バックドアテントは壁やメッシュスクリーンを備えているモデルが多く、よりプライベートな空間を確保できます。 そのため、周囲の視線を気にせず着替えをしたり、虫の侵入を防ぎながらくつろいだりすることが可能です。 どちらが良いというわけではなく、開放感を重視するならカーサイドタープ、プライバシーや虫対策を重視するならバックドアテントというように、目的に合わせて選ぶのが良いでしょう。
バックドアテントを利用するメリット

バックドアテントが車中泊のスタイルをいかに快適に変えてくれるのか、具体的なメリットを深掘りしていきましょう。空間の拡張性から設営の手軽さ、プライバシーの確保まで、その魅力は多岐にわたります。
車内空間が劇的に広がる
バックドアテント最大のメリットは、なんといっても居住空間が劇的に広がることです。車内だけだと、どうしても就寝スペースと荷物で手狭になりがちですが、バックドアテントを連結すれば、そこに新たな一部屋が生まれるようなものです。
例えば、車内はフルフラットにして快適なベッドルームに、テント部分は椅子やテーブルを置いて食事やくつろぎの時間を過ごすリビングスペースとして活用できます。 これまで車内で窮屈に行っていた食事の準備や後片付けも、テント内なら立ったまま楽な姿勢で行えるようになります。雨の日でも、濡れることなく車とリビングを行き来できるので、天候に左右されずに快適な時間を過ごせるでしょう。
設営・撤収が簡単でスピーディー
一般的なキャンプ用テントに比べて、設営・撤収が非常に簡単な点も大きな魅力です。 製品にもよりますが、多くはバックドアに被せて数カ所を固定するだけで基本的な設営が完了します。 ポップアップ式やワンタッチ式のモデルを選べば、さらに時間を短縮することが可能です。
キャンプでは設営と撤収に意外と時間がかかり、特に初心者にとっては大きな負担になりがちです。しかし、バックドアテントならその手間を大幅に削減できるため、現地での時間をより有効に使えます。到着してすぐにリビングスペースを確保でき、出発の際もスピーディーに片付けられる手軽さは、一度体験すると手放せなくなるでしょう。
プライバシーの確保と安心感
バックドアテントは、三方を壁で囲めるモデルが多く、プライバシーをしっかりと確保できます。 特に、着替え場所として大活躍します。 海水浴や川遊びの後など、人目が気になる場所でも周囲を気にせず着替えが可能です。フルクローズできるタイプなら、外からの視線を完全にシャットアウトできるため、女性やお子様連れのファミリーも安心して利用できます。
また、車と直結していることによる安心感もポイントです。夜中に何かあってもすぐに車内に移動できるため、特に女性だけの車中泊や、野生動物が出没する可能性のある場所では心強い存在となります。メッシュスクリーン付きのモデルなら、虫の侵入を防ぎながら風を通すことができ、快適性と安全性を両立できます。
天候に左右されにくい快適性
アウトドアでの活動は天候に大きく左右されますが、バックドアテントがあれば急な雨や強い日差しにも対応しやすくなります。UVカット機能のある生地を使用したテントなら、真夏の日差しを和らげ、快適な日陰を作り出してくれます。
また、防水性・撥水性のあるモデルを選べば、突然の雨でも慌てる必要はありません。 テント内で雨宿りをしながら過ごしたり、濡れた衣服や道具を一時的に置いておくスペースとしても活用できます。車と連結しているため、雨に濡れることなく車内との行き来ができるのは、想像以上に快適です。 このように、天候の変化に柔軟に対応できる点も、バックドアテントの大きなメリットと言えるでしょう。
知っておきたいバックドアテントのデメリットと対策

多くのメリットがあるバックドアテントですが、購入してから「こんなはずじゃなかった」と後悔しないために、デメリットもしっかりと理解しておくことが大切です。ここでは、主なデメリットとその対策について解説します。
車を動かせなくなる
バックドアテントは車体と連結して設営するため、一度設置すると簡単に車を動かせなくなります。 例えば、キャンプ場にテントを設営した後で、近くの温泉や買い出しに行きたくなった場合、その都度テントを撤収しなければなりません。これは、バックドアテントの最大のデメリットと言えるかもしれません。
この問題への対策としては、自立式のバックドアテントを選ぶという方法があります。 自立式であれば、車との連結を切り離してもテント単体で立ち続けることができるため、車だけを移動させることが可能です。 頻繁に車で移動する可能性がある場合は、自立式モデルを検討すると良いでしょう。また、買い出しなどはキャンプ場に到着する前に済ませておくなど、事前の計画をしっかり立てることも重要です。
取り付けできない車種がある
バックドアテントは、基本的に跳ね上げ式のバックドア(リアゲート)を持つ車を対象としています。 そのため、横開きや観音開きのバックドアを持つ車種には取り付けられない場合がほとんどです。 また、汎用モデルであっても、車のサイズや形状、リアスポイラーの有無などによっては、うまくフィットせず隙間ができてしまうこともあります。
対策としては、購入前に必ず自分の車に適合するかどうかを確認することが最も重要です。 商品説明に対応車種が記載されている場合はそれを参考にし、不明な場合はメーカーに問い合わせるのが確実です。汎用品を選ぶ際も、取り付け部分のサイズなどを実車の寸法と照らし合わせて、問題なく設置できるかシミュレーションしておくと安心です。
強風や雨への注意が必要
バックドアテントは、一般的なキャンプテントに比べると簡易的な構造のものが多く、特に強風には弱い傾向があります。車体を支えの一部としているため、風で煽られると車体との接続部分に負荷がかかったり、テントが変形したりする可能性があります。また、製品によっては防水性が十分でなく、大雨の際に雨漏りしてしまうこともあります。
対策としては、まず天候が荒れる予報の日は使用を控えるのが賢明です。設営する際は、ペグやガイロープ(テントを固定する張り綱)をしっかりと使って、テントを地面に確実に固定しましょう。特に風が強い日は、風向きを考えて車の位置を調整することも有効です。雨対策としては、購入時に耐水圧(後述します)の高いモデルを選ぶこと、そしてシームテープ(縫い目からの浸水を防ぐ加工)が施されているかを確認することが重要です。
設置場所が限られる
バックドアテントを使用するということは、車中泊に加えてテントを設営する行為と見なされる場合があります。そのため、オートキャンプ場など、車の乗り入れとテントの設営が許可されている場所で利用するのが基本です。
道の駅やサービスエリア、公共の駐車場などでの使用は、他の利用者の迷惑になるため原則として禁止されています。 これらの場所はあくまで休憩や仮眠のためのスペースであり、テントを広げてキャンプ行為をすることはマナー違反となります。 バックドアテントを快適に利用するためには、必ずルールやマナーを守り、許可された場所で楽しむことを徹底しましょう。
後悔しない!バックドアテントの選び方

バックドアテントの魅力と注意点がわかったところで、次はいよいよ自分に合った製品の選び方を見ていきましょう。設置タイプや形状、素材など、チェックすべきポイントはいくつかあります。それぞれの特徴を理解し、自分の車や使い方に最適な一品を見つけましょう。
①設置タイプで選ぶ(吸盤・ポール・ベルト)
バックドアテントを車に固定する方法は、主に「吸盤」「ポール」「ベルト」の3種類、またはこれらの組み合わせです。それぞれの特徴を理解して選びましょう。
- 吸盤タイプ: 車体に吸盤で貼り付けて固定するタイプです。手軽に取り付けられ、車を傷つける心配が少ないのがメリットです。 ただし、吸盤の吸着力は天候やボディの汚れに左右されることがあるため、強風時には注意が必要です。
- ポールタイプ: テント用のポールを使って骨組みを作り、車と連結させます。しっかりとした構造になるため、居住空間が広く取れ、耐風性も比較的高くなります。設営に少し手間がかかる点がデメリットです。
- ベルト(ストラップ)タイプ: ベルトやストラップをタイヤのホイールや車体の一部に引っ掛けて固定します。比較的簡単に設置できますが、固定する場所が限られたり、車種によっては取り付けが難しかったりする場合があります。
設営の手軽さを重視するなら吸盤やベルトタイプ、居住性や安定性を重視するならポールタイプがおすすめです。
②テントの形状で選ぶ(自立式・非自立式)
バックドアテントは、大きく分けて「自立式」と「非自立式」の2種類があります。これは非常に重要な選択ポイントです。
- 自立式: 車から切り離しても、テント単体で立つことができるタイプです。 最大のメリットは、テントを設営したまま車だけを移動できること。 キャンプ場を拠点に、日中は車で観光や買い出しに出かけたいという場合に非常に便利です。設営後に場所を微調整しやすいのも利点です。
- 非自立式: 車と連結することで初めて形になるタイプです。 ポールが少ない分、軽量でコンパクトに収納できるモデルが多いのが特徴です。設営も比較的簡単な傾向にありますが、一度設置すると車を動かせないというデメリットがあります。
滞在型のキャンプスタイルで、あまり車を動かさないのであれば非自立式でも十分ですが、自由度の高さを求めるなら自立式が断然おすすめです。
③素材と機能性で選ぶ(耐水圧・UVカット・生地の種類)
アウトドアで快適に過ごすためには、テントの素材や機能性も重要です。特に以下の3点は必ずチェックしましょう。
- 耐水圧: 生地の防水性能を示す数値で、この数値が高いほど水が染み込みにくくなります。 目安として、小雨なら500mm、通常の雨なら1,000mm、大雨にも備えるなら1,500mm以上あると安心です。 ただし、耐水圧が高すぎると通気性が悪くなり結露しやすくなるというデメリットもあるため、バランスが大切です。
- UVカット機能: 紫外線から肌を守り、テント内の温度上昇を抑える効果があります。 記事に「UVカット加工」「UPF50+」などの記載があるか確認しましょう。日差しの強い季節に使うことが多いなら、必須の機能と言えます。
- 生地の種類: 主にポリエステルやナイロンが使われます。ポリエステルは比較的安価で、水分を吸いにくく乾きやすいのが特徴。ナイロンは軽量で強度が高いですが、水を含むと伸びやすい性質があります。どちらも一長一短なので、それぞれの特性を理解しておくと良いでしょう。
④サイズと居住性で選ぶ(使用人数・高さ)
バックドアテントを選ぶ際は、誰と、何人で使うのかをイメージすることが大切です。
- 使用人数: 商品説明には「3~4人用」といった記載があります。 これはあくまで最大収容人数の目安なので、快適に過ごすなら表示人数マイナス1人くらいで考えると良いでしょう。例えば、大人2人でゆったり使いたいなら、3~4人用を選ぶと荷物を置くスペースも確保できます。
- 高さ: テント内の高さも快適性を左右する重要なポイントです。高さがあれば圧迫感がなく、中で着替えたり立って作業したりするのも楽になります。特にリビングとして長時間過ごすことを考えるなら、できるだけ高さのあるモデルがおすすめです。
⑤愛車への適合性を必ず確認
最後に、そして最も重要なのが自分の車に取り付け可能かという点です。 バックドアの形状(跳ね上げ式であること)はもちろん、開口部の幅や高さ、リアスポイラーの有無などが取り付けに影響します。
多くの製品には、対応車種の例や、取り付けに必要なバックドアのサイズが記載されています。購入前には必ず自分の車のバックドア周りの寸法を測り、適合するかを確認してください。口コミサイトなどで、同じ車種に取り付けているユーザーのレビューを参考にするのも非常に有効です。
バックドアテントを安全・快適に使うための注意点

バックドアテントは車中泊を非常に豊かにしてくれる便利なアイテムですが、使い方を誤るとトラブルや事故につながる可能性もあります。安全に、そして周りの人に迷惑をかけずに楽しむために、必ず守るべき注意点を解説します。
設置が許可されている場所か確認する
バックドアテントの利用は、キャンプ行為とみなされます。そのため、道の駅やサービスエリア、公園の駐車場など、キャンプが禁止されている場所での使用は絶対にやめましょう。 これらの場所はあくまで一時的な休憩施設であり、テントを広げて長時間滞在することはマナー違反であり、施設管理者とのトラブルの原因となります。
バックドアテントを使用する際は、必ずオートキャンプ場やRVパークなど、公式に車中泊やテント設営が許可されている場所を選んでください。 場所によっては、車の乗り入れはできてもテントの設営は別料金、あるいは禁止されている場合もあるため、事前に施設のルールをしっかりと確認することが大切です。
一酸化炭素中毒に最大限の注意を
これはバックドアテントに限らず、車中泊全体における最も重要な注意点です。テント内や車と連結した空間で、絶対にエンジンをかけっぱなしで就寝しないでください。排気ガスがテント内に流れ込み、一酸化炭素(CO)中毒を引き起こす危険性が非常に高いです。一酸化炭素は無味無臭のため、気づかないうちに命を落とすことになりかねません。
また、冬場に暖を取るためにテント内でカセットコンロやストーブなどの燃焼器具を使用するのも大変危険です。使用する場合は、必ず十分な換気を行い、一酸化炭素チェッカーを併用するなど、最大限の安全対策を講じてください。少しでも体調に異変を感じたら、すぐに使用を中止し、新鮮な空気を吸うようにしましょう。
防犯対策を忘れずに
バックドアテントを使用中は、車のバックドアが常に開いている状態になります。 これは、車内へのアクセスが容易になることを意味し、防犯上のリスクが伴います。特に就寝時やテントを離れる際は注意が必要です。
対策として、貴重品は車内の目の届かない場所に保管するか、必ず身につけるようにしましょう。テントを離れる際は、テントの出入り口をしっかりと閉め、車も施錠することを忘れないでください。製品によっては車内とテント空間を仕切るカーテンが付属しているものもあり、プライバシー確保と同時に防犯にも役立ちます。
車とテントの隙間対策
汎用のバックドアテントを使用する場合、車種によっては車体とテントの間に隙間ができてしまうことがあります。この隙間から雨風や虫が侵入してしまい、せっかくの快適性が損なわれる可能性があります。
設営時に、テントのゴムやベルトを調整して、できるだけ隙間ができないように工夫しましょう。強力な磁石やクリップなどを別途用意して、隙間ができやすい部分の生地を車体に固定するのも有効な対策です。また、虫対策として、車との接続部分にもメッシュスクリーンが付いているモデルを選ぶと、より安心して過ごすことができます。
まとめ:バックドアテントで快適な車中泊を

この記事では、車中泊の新たな可能性を広げる「バックドアテント」について、その基本からメリット・デメリット、選び方、そして安全に楽しむための注意点までを詳しく解説しました。
バックドアテントは、車のバックドアに連結するだけで、手軽にリビングやプライベート空間を作り出せる画期的なアイテムです。車内空間が広がり、設営も簡単、そして天候にも左右されにくいなど、多くのメリットが車中泊をより一層快適で豊かなものにしてくれます。
一方で、一度設営すると車を動かせなくなることや、設置場所が限られるといったデメリットも存在します。しかし、「自立式」のテントを選んだり、事前に計画を立てたり、そして何よりルールとマナーを守ることで、これらの問題は十分にカバーできます。
これからバックドアテントを選ぶ際は、ご自身の車との適合性を第一に、利用シーンを想像しながら「設置タイプ」「形状(自立式か非自立式か)」「機能性」「サイズ」などを比較検討してみてください。あなたのアウトドアスタイルにぴったりのバックドアテントを見つけて、これまで以上に自由で快適な車中泊の旅に出かけましょう。


