北海道一周の距離は?車中泊で巡るためのルート・日数・費用を徹底解説

車中泊の基本と準備

いつかは実現させたい「北海道一周の旅」。特に、自由気ままに巡れる車中泊での旅は、多くの人にとって憧れではないでしょうか。しかし、壮大な計画だからこそ「一体どれくらいの距離があるの?」「日数は何日くらい必要?」「費用はどのくらいかかる?」といった疑問が次々と浮かびますよね。

この記事では、そんな北海道一周・車中泊の旅を計画しているあなたのために、ルート別の総距離から、目的別の滞在日数、そして気になる費用の内訳まで、必要な情報を網G羅的に解説します。

さらに、車中泊に欠かせないおすすめスポットや、旅を成功させるための準備についても詳しくご紹介。この記事を読めば、漠然としていた憧れの北海道一周が、ぐっと現実的な旅の計画へと変わるはずです。

 

北海道一周の距離はどのくらい?ルート別の目安

北海道を一周するといっても、そのルートは一つではありません。海岸線を忠実に走るのか、内陸の観光地も巡るのかによって、総走行距離は大きく変わってきます。ここでは、代表的な2つのルートを例に、それぞれの距離の目安を見ていきましょう。

最も一般的な「海岸線ルート」の総距離

北海道の形に沿って海岸線をぐるっと一周するルートは、最もポピュラーなコースと言えるでしょう。 このルートの総走行距離は、およそ2,800kmから3,000kmほどになります。 もちろん、立ち寄る岬や観光スポットによって多少の変動はありますが、一つの大きな目安としてこの数値を覚えておくと計画が立てやすくなります。

海岸線ルートの魅力は、何と言っても刻々と変化する海の景色を楽しめることです。日本海、オホーツク海、太平洋と、それぞれ全く異なる表情を見せる海岸ドライブは、北海道ならではの醍醐味と言えるでしょう。特に、断崖絶壁が続くオロロンラインや、どこまでも続く直線道路のエサヌカ線などは、多くの旅人を魅了してやみません。ただひたすら海沿いを走るだけでも、飽きることのない壮大な景色が広がっています。

人気観光地を巡る「内陸寄りルート」の総距離

海岸線だけでなく、富良野・美瑛の丘陵地帯や、旭川、帯広といった内陸の魅力的な都市も訪れたいという方も多いでしょう。その場合、海岸線ルートを基本としながらも、部分的に内陸へ寄り道するルートになります。このようなルートを選ぶと、総走行距離は2,400kmから3,000km程度が目安となります。 海岸線だけを走る場合に比べて、総距離が短くなることもありますが、内陸の移動が増えるため一概には言えません。

例えば、札幌から富良野・美瑛を経由して旭川へ抜け、再びオホーツク海側へ戻るといったコースが考えられます。このルートのメリットは、海の幸だけでなく、内陸ならではのグルメや景色、文化に触れられる点です。ラベンダー畑やパッチワークの丘、美味しい農産物やスイーツなど、北海道の多様な魅力を満喫したい方におすすめのルートです。

ルートによって距離が大きく変わる理由

北海道一周の距離がルートによって変動するのは、その広大な面積と複雑な地形に理由があります。北海道の海岸線は単純な円形ではなく、知床半島や積丹半島、渡島半島など、多くの半島が突き出しています。これらの半島を忠実に先端まで巡るかどうかで、走行距離は大きく変わってきます。例えば、知床半島を羅臼側とウトロ側の両方から楽しむのか、あるいは国道だけを通ってショートカットするのかで、数十キロ単位の違いが生まれます。

また、内陸の観光地に立ち寄る際も、どの都市を経由するか、どの道を選択するかによって総距離は増減します。そのため、「北海道一周」と一言で言っても、決まった距離があるわけではなく、自分の旅のスタイルや目的に合わせてルートを設計することが重要なのです。

 

北海道一周にかかる日数の目安【目的別】

広大な北海道を一周するには、十分な日数が必要です。どれくらいの時間をかけるかによって、旅のスタイルや満足度も大きく変わってきます。ここでは、「弾丸」「標準」「満喫」の3つの目的別に、必要な日数の目安をご紹介します。

とにかく一周を目指す!最短(弾丸)コース

「とにかく北海道を一周したという達成感が欲しい!」という方や、長期休暇が取りにくい方向けの最短コースです。この場合の滞在日数は、5日~1週間程度が目安となります。 1日あたりの走行距離が400kmを超える日も出てくるため、観光や食事の時間はかなり限られます。

主な目的が「走ること」になり、有名観光地も駆け足で巡ることになるでしょう。例えば、函館の夜景を見て、翌日はひたすら北上し札幌を通過、次の日には最北端の宗谷岬へ、といったハイペースな旅になります。体力的にハードな旅になることは間違いありませんが、短期間で北海道の広大さを肌で感じることはできるでしょう。ただし、安全運転を第一に考え、無理のない計画を立てることが何よりも大切です。

人気の観光地を巡る標準コース

せっかくなら人気の観光スポットは押さえておきたい、という方におすすめなのが標準コースです。この場合の滞在日数は、10日~2週間程度が目安です。 1日の走行距離を300km前後に設定すれば、各地の観光スポットをいくつか巡る時間が生まれます。 例えば、函館で1泊、札幌で2泊、知床周辺で1泊といったように、主要なエリアで腰を据えて観光することができます。

ご当地グルメを味わったり、温泉にゆっくり浸かったりと、旅の楽しみも格段に増えるでしょう。多くの人がイメージする「北海道一周旅行」に最も近いのが、この標準コースと言えるかもしれません。余裕を持ったスケジュールを組むことで、天候による予定変更にも柔軟に対応しやすくなります。

絶景やグルメをじっくり楽しむ満喫コース

時間に縛られず、北海道の魅力を心ゆくまで味わい尽くしたいという方には、3週間~1ヶ月以上をかけた満喫コースがおすすめです。 1日の走行距離を100km~200km程度に抑え、気に入った場所に数日間滞在することも可能です。 観光ガイドブックには載っていないような隠れた名店を探したり、地元の人と交流したり、美しい景色の中で何もしない贅沢な時間を過ごしたりと、旅の自由度が格段に上がります。

また、利尻島や礼文島といった離島に足を延ばす余裕も生まれるでしょう。車中泊をしながら長期滞在することで、季節の移ろいや地域の暮らしをより深く感じることができます。まさに「旅」ではなく「暮らし」に近い体験ができるのが、この満喫コースの最大の魅力です。

 

北海道一周(車中泊)にかかる費用の内訳

北海道一周の旅、特に車中泊となると、費用がどのくらいかかるのか気になりますよね。旅の日数やスタイルによって大きく変動しますが、ここでは主な費用の内訳と、それぞれの目安について解説します。

ガソリン代の計算方法

旅の費用で大きな割合を占めるのがガソリン代です。総走行距離を3,000kmと仮定して計算してみましょう。車の燃費とガソリン価格によって変動しますが、例えば燃費がリッター15kmの車で、ガソリン価格が1Lあたり170円だった場合、「3,000km ÷ 15km/L × 170円/L = 34,000円」となります。実際には、エアコンの使用状況や道路のアップダウン、アイドリングの時間などによって燃費は変わってきます。また、北海道は都市部を離れるとガソリンスタンドが少なくなり、価格も割高になる傾向があります。こまめな給油を心がけるとともに、少し多めに予算を見積もっておくと安心です。1ヶ月ほどの長期滞在の場合、ガソリン代だけで約4万円前後かかることもあります。

食費を抑えるコツ

食費は、旅の満足度を左右する重要な要素でありながら、工夫次第で大きく節約できる部分でもあります。海鮮丼やジンギスカン、スープカレーなど、北海道には魅力的なグルメがたくさんありますが、毎食外食となると費用はかさんでしまいます。

車中泊の旅では、スーパーや直売所を積極的に活用するのが食費を抑えるコツです。 地元の新鮮な食材を安く手に入れ、簡単な自炊をするだけで、食費はかなり抑えられます。カセットコンロや簡単な調理器具があれば、車内で温かい食事を楽しむことも可能です。もちろん、ここぞという時にはご当地グルメを堪能し、普段は自炊で節約するといったメリハリをつけるのがおすすめです。1日の食費を3,000円~4,000円程度に設定すると、1ヶ月で10万円前後の予算感になります。

温泉・入浴施設の費用

車中泊の旅で欠かせないのが、一日の疲れを癒す入浴です。北海道には素晴らしい泉質の温泉が数多く点在しており、これも旅の大きな楽しみの一つです。入浴施設の料金は、1回あたり500円~1,000円程度が相場です。 毎日利用すると、1ヶ月で15,000円~30,000円ほどの出費になります。

最近では、多くの道の駅に日帰り温泉施設が併設されているため、車中泊場所と合わせて探すと効率的です。また、コインシャワーなどを利用すれば、さらに費用を抑えることも可能です。清潔な体を保つことは、快適な車中泊を続ける上で非常に重要ですので、入浴費用は必要経費としてしっかりと予算に組み込んでおきましょう。

観光・アクティビティ費用

観光施設の入場料や、体験アクティビティにかかる費用も見込んでおく必要があります。例えば、函館の五稜郭タワーや旭山動物園、知床の観光船など、有料の施設やツアーを利用することで、旅の思い出はより一層深まります。

これらの費用は、どこを訪れ、何をするかによって大きく変わってきます。事前に絶対に行きたい場所をリストアップし、それぞれの料金を調べておくと、予算が立てやすくなります。全ての観光地を巡ろうとするとキリがないので、自分の興味に合わせて優先順位をつけることが大切です。北海道は無料で楽しめる自然景観も非常に多いので、有料の観光と無料の観光をバランス良く組み合わせることで、費用を抑えつつ満足度の高い旅にすることができます。

 

車中泊で北海道一周!おすすめスポットと注意点

自由な旅が魅力の車中泊ですが、どこでも泊まって良いわけではありません。快適で安全な旅を続けるためには、場所選びが非常に重要です。ここでは、車中泊におすすめのスポットと、知っておくべき注意点やマナーについて解説します。

安心して利用できる「RVパーク」

「RVパーク」は、日本RV協会が認定する車中泊専用の有料施設です。 最大のメリットは、電源設備や24時間利用可能なトイレ、ゴミ処理施設などが整っている点です。 安心して車中泊ができる環境が整備されており、初心者の方でも気軽に利用できます。料金は1泊2,500円前後が目安で、温泉施設や観光地に併設されていることも多く、旅の拠点として非常に便利です。 北海道内にも函館市街や倶知安、阿寒丹頂の里など各地にRVパークが点在しており、事前に予約ができる施設も多いです。 長旅の途中、電子機器の充電や車内の掃除などをまとめて行いたい時に活用すると、旅の快適度が格段にアップします。

景色も楽しめる「道の駅」

北海道には100か所以上の「道の駅」があり、その多くが広大な駐車場と24時間利用可能なトイレを備えています。そのため、多くの車中泊旅行者に利用されていますが、注意点として、全ての道の駅で車中泊が公認されているわけではないことを理解しておく必要があります。あくまでも「休憩」のための施設であり、「宿泊」を目的とした長時間の滞在はマナー違反となる場合があります。

車中泊を容認している道の駅でも、キャンプ行為(車外での調理やテーブル・椅子の設置など)は基本的に禁止です。道の駅「花ロードえにわ」や「ロマン街道しょさんべつ」のように、RVパークやキャンプ場が併設されている場所を選ぶと安心して過ごせます。 利用する際は、必ず施設のルールを確認し、他の利用者の迷惑にならないよう配慮しましょう。

車中泊をする際の注意点とマナー

快適な車中泊の旅を続けるためには、いくつかの注意点とマナーを守ることが不可欠です。まず、ヒグマ対策は北海道ならではの重要なポイントです。車内に食べ物の匂いが残らないよう、ゴミは密閉できる袋に入れ、車外に放置しないようにしましょう。次に、防犯対策です。就寝時は必ずドアをロックし、貴重品は外から見えない場所に保管してください。

また、エンジンをかけたままの就寝は、一酸化炭素中毒の危険や騒音問題につながるため絶対にやめましょう。そして最も大切なのがマナーです。公共の駐車場を借りているという意識を持ち、ゴミは必ず持ち帰る、騒音を立てない、グレータンク(生活排水)の処理は指定された場所で行うなど、基本的なルールを守ることが、車中泊文化を守ることにも繋がります。

 

北海道一周を成功させるための準備と持ち物

壮大な北海道一周の旅を快適で安全なものにするためには、事前の準備が欠かせません。車のメンテナンスから、あると便利なグッズ、季節に合わせた服装まで、出発前にチェックしておきたいポイントをまとめました。

車のメンテナンスと必須装備

長距離ドライブとなる北海道一周では、車のコンディションが旅の成否を左右します。出発前には、必ずタイヤの空気圧や溝の残量、エンジンオイル、バッテリー、ライト類などを点検しておきましょう。万が一のトラブルに備えて、JAFへの加入や自動車保険のロードサービス内容を確認しておくことも重要です。

また、必須装備として、パンク修理キットやブースターケーブル、牽引ロープなどを積んでおくと安心です。特に、北海道は都市部を離れると携帯電話の電波が届かないエリアも少なくないため、オフラインでも使える地図アプリをダウンロードしておくか、紙の地図を用意しておくと良いでしょう。

あると便利な車中泊グッズ

車中泊の快適性を格段に向上させてくれる便利グッズも準備しておきましょう。まず、プライバシーの確保と光を遮るためのシェードやカーテンは必需品です。 これがあるだけで、車内が落ち着いたプライベート空間になります。次に、快適な睡眠のためのマットレスや寝袋、枕も重要です。 車のシートはフルフラットにしても凹凸がある場合が多いため、厚手のマットを敷くことで寝心地が大きく改善されます。

その他、夜間の明かりとしてLEDランタン、スマートフォンの充電に役立つポータブル電源やカーインバーター、夏場の暑さ対策に車用網戸や小型扇風機、冬場の寒さ対策に断熱シートや電気毛布などがあると、より快適な車中泊が実現します。

季節ごとの服装と注意点(夏・秋)

北海道は本州に比べて冷涼ですが、夏(7~8月)の日中は30℃を超えることもあります。Tシャツや半袖で過ごせますが、朝晩は冷え込むことが多いので、薄手のパーカーやフリースなど、羽織れるものが一枚あると重宝します。 特に、峠道や標高の高い場所へ行く際は、予想以上に気温が下がるため注意が必要です。秋(9~10月)は、紅葉が美しい季節ですが、気温は一気に下がります。

日中でも長袖シャツやトレーナーが必要になり、朝晩はダウンジャケットなどの防寒着が欠かせません。 また、9月になると初雪が観測される年もあるため、峠を越えるルートを計画している場合は、天気予報と合わせて道路情報の確認も怠らないようにしましょう。天候が変わりやすいため、防水性のあるウェアや折りたたみ傘も常に備えておくと安心です。

 

まとめ:北海道一周の距離を把握して、最高の旅を計画しよう

北海道一周の旅は、その総距離がおよそ3,000kmにも及ぶ壮大な冒険です。 しかし、海岸線を忠実に巡るのか、内陸の観光地に立ち寄るのかで、その距離や必要な日数は大きく変わってきます。最短であれば1週間、じっくり満喫するなら1ヶ月以上と、自分のスタイルに合わせた計画を立てることが可能です。

車中泊で巡ることで、宿泊費を抑えながら自由度の高い旅が実現できますが、そのためにはガソリン代や食費、入浴費などの予算計画が重要になります。 また、RVパークや道の駅といったスポットを賢く利用し、ヒグマ対策や騒音問題などのマナーを守ることが、安全で快適な旅を続けるためのポイントです。

この記事で紹介した距離の目安、日数、費用、そして準備のポイントを参考に、あなただけのオリジナルな北海道一周プランを組み立ててみてください。しっかりと計画を立てることで、憧れの北海道一周は、きっと一生忘れられない最高の思い出になるはずです。

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