サンシェード【車】は100均セリアで十分？車中泊での使い方から自作術まで解説

気軽に始められる車中泊ですが、快適に過ごすためにはプライバシーの確保や車内温度の管理が欠かせません。そこで活躍するのが「車のサンシェード」です。特に、コストを抑えたい方にとって、100均セリアのサンシェードは非常に魅力的な選択肢となるでしょう。しかし、「本当に100均で大丈夫？」「車中泊でしっかり使えるの？」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

この記事では、そんな疑問を解消すべく、100均セリアで手に入る車用サンシェードの種類や性能を徹底的にレビューします。さらに、車中泊での具体的な活用方法、遮光性や断熱性を高めるカスタム術、そして100均アイテムだけでできるオリジナルサンシェードの自作方法まで、やさしくわかりやすく解説していきます。

この記事を読めば、あなたもセリアのサンシェードを賢く活用し、快適な車中泊をスタートできるはずです。

100均セリアの車用サンシェードは車中泊に使える？

車中泊を考えたとき、まず頭に浮かぶのが窓の目隠しではないでしょうか。低予算で道具を揃えたいと考えるなら、100均セリアのアイテムは非常に心強い味方です。 「安かろう悪かろう」というイメージがあるかもしれませんが、ポイントを押さえれば車中泊でも十分に活用できます。 ここでは、セリアで販売されているサンシェードの種類や、気になる性能について詳しく見ていきましょう。

セリアで買えるサンシェードの種類と特徴

セリアでは、車のさまざまな窓に対応できるよう、いくつかの種類のサンシェードが販売されています。 主力となるのは、フロントガラス用の大きなサンシェードです。アルミ蒸着フィルムを使った銀色のシートタイプが一般的で、サイズはおおよそ横130cm×縦60cmのものが主流です。 これは多くの普通乗用車や軽自動車のフロントガラスに対応できる標準的なサイズと言えるでしょう。

また、デザインもシンプルな無地のものから、キャンプ柄などおしゃれなプリントが施されたものまであり、選ぶ楽しさもあります。 素材は発泡ポリエチレンにアルミ蒸着フィルムを貼り合わせたものが多く、軽量で取り扱いやすいのが特徴です。 使わないときはゴムバンドでコンパクトにまとめられるようになっており、収納性にも配慮されています。

サイドガラス用としては、吸盤で取り付けるメッシュタイプの日よけや、静電気で貼り付けるタイプのシートなども見られます。 これらは遮光性よりも日よけとしての機能がメインですが、複数枚使えば目隠しとしても活用可能です。車中泊ではすべての窓を覆う必要があるため、これらの商品を組み合わせて使うのがおすすめです。

フロントガラス用サンシェードの実力

セリアのフロントガラス用サンシェードの最大の魅力は、なんといっても110円（税込）という価格です。 この価格で、車中泊の基本となる「目隠し」が手に入るのは大きなメリットと言えるでしょう。実際に広げてみると、高級な車種専用品と比べて薄さを感じることは否めません。しかし、外からの視線を遮るというプライバシー保護の目的は十分に果たしてくれます。

遮光性については、光を完全にシャットアウトする「完全遮光」とまではいきませんが、日中の日差しを和らげたり、夜間の外灯の光を軽減したりする効果は期待できます。 アルミ素材が光を反射するため、夏場の直射日光によるダッシュボードやハンドルの温度上昇を抑える効果も実感できるでしょう。 JAFの実験によれば、サンシェードを使用することでダッシュボードの表面温度を最大で22℃も低下させることができるとされています。

ただし、汎用品であるため、車種によってはサイズがぴったり合わず、上下左右にすき間ができてしまうことがあります。 このすき間が気になる場合は、後述するカスタム術でカバーする必要がありますが、まずはこの手軽さとコストパフォーマンスの高さを評価すべきでしょう。

サイドガラス用サンシェードの使い勝手

フロントガラスと並んで重要なのがサイドガラスの目隠しです。セリアには、サイドガラスに特化した商品もあります。吸盤で取り付けるタイプのカーテンや、メッシュ素材の日よけなどが代表的です。これらは取り付けが簡単で、必要に応じてすぐに着脱できる手軽さが魅力です。

ただし、ダイソーなどで販売されているメッシュタイプの日よけは、遮光効果や目隠しとしての性能はあまり高くないため、車中泊でのプライバシー確保という点では少し心もとないかもしれません。 そのため、車中泊でしっかりと目隠しをしたい場合は、フロントガラス用と同様のアルミシートを加工して使うか、後述する自作サンシェードを検討するのがおすすめです。

もう一つの選択肢として、セリアの「アルミ保温シート」を活用する方法があります。 これは本来、お風呂の保温などに使われるものですが、ハサミで簡単に好きなサイズにカットできるため、サイドガラスやリアガラスなど、特殊な形状の窓にもぴったり合わせることができます。 この柔軟性の高さが、車中泊ユーザーから支持される理由の一つです。

吸盤の性能と落ちるときの対策

100均サンシェードで多くの人が経験するのが「吸盤がすぐに落ちてしまう」という問題です。 特に夜間、寝ている間にサンシェードが剥がれ落ちてしまうと、プライバシーの面でも防犯の面でも不安になります。吸盤が落ちる主な原因は、以下の点が考えられます。

これらの対策を試しても改善しない場合は、100均で販売されている「吸盤補助板」をガラスに貼り、その上から吸盤を付けると接着力が格段にアップします。 また、ハンドクリームやワセリンを吸盤の縁に薄く塗ることで、密着性を高めるという裏技もあります。 どうしてもダメな場合は、吸盤に頼らず、フック付きのマグネットを窓枠に付けてシェードを引っ掛ける方法も有効です。 少しの工夫で、100均サンシェードの弱点を克服し、快適性を向上させることが可能です。

車中泊におけるサンシェードの重要性

サンシェードは、単なる日よけや目隠し以上の役割を果たします。特に、限られた空間で長時間過ごす車中泊においては、快適性と安全性を左右する重要なアイテムです。なぜサンシェードが必要なのか、その具体的な理由を3つの側面から掘り下げてみましょう。

プライバシーの確保と防犯対策

車中泊で最も重要なことの一つが、プライバシーの確保です。 サービスエリアや道の駅など、人の出入りがある場所で車中泊をする場合、外からの視線は想像以上に気になるものです。着替えをしたり、食事をしたり、あるいは就寝したりする際に、車内が丸見えの状態ではリラックスできません。サンシェードですべての窓をしっかりと覆うことで、自分たちだけのプライベートな空間を作り出すことができます。

また、プライバシーの確保は防犯対策にも直結します。車内に人がいるのか、どんな荷物が積んであるのかが外からわからないようにすることは、車上荒らしなどの犯罪を未然に防ぐ上で非常に効果的です。 特に夜間、車内が暗く外が明るい状況では、中が覗かれやすくなります。サンシェードで窓を覆っておけば、「この車は防犯意識が高い」という印象を与え、犯罪者に狙われにくくなる効果も期待できるのです。安心して眠るためにも、サンシェードは必須の装備と言えるでしょう。

夏の遮光・断熱と冬の防寒対策

車の窓は、車体の中で最も熱の出入りが激しい部分です。 サンシェードは、この窓からの熱の移動を抑えることで、車内環境を快適に保つ重要な役割を担います。

夏の効果：
夏場の強い日差しは、車内の温度を急激に上昇させます。サンシェードがない状態で炎天下に駐車すると、車内はサウナのような状態になってしまいます。 アルミ素材のサンシェードは、この直射日光を反射し、車内温度の上昇を大幅に抑制します。 これにより、エアコンの効きが良くなり、燃費の向上にもつながります。車中泊で仮眠をとる際にも、暑さによる体力の消耗を防ぎ、快適な休息をサポートしてくれるのです。

冬の効果：
一方、冬場にはサンシェードが防寒具としての役割を果たします。夜間、外の冷気は窓ガラスを通して容赦なく車内に伝わってきます。サンシェードを窓に取り付けることで、サンシェードと窓ガラスの間に空気の層ができます。この空気層が断熱材となり、車内の暖かい空気が外に逃げるのを防ぎ、同時に外の冷気が車内に入り込むのをブロックしてくれるのです。 この効果により、暖房を止めた後の急激な温度低下を和らげ、朝まで快適な温度を保ちやすくなります。

結露対策としての役割

冬の車中泊で多くの人が悩まされるのが「結露」です。人の呼吸や体から発せられる水蒸気が、外気で冷やされた窓ガラスに触れることで水滴となります。結露を放置すると、車内にカビが発生する原因になったり、滴り落ちた水滴で寝袋や荷物が濡れてしまったりと、非常に厄介です。

ここでもサンシェードが役立ちます。前述の通り、サンシェードは断熱効果によって窓ガラスの表面温度が急激に下がるのを防ぎます。 ガラス自体の温度が下がりにくくなるため、車内の水蒸気が結露しにくくなるのです。完全に結露を防ぐことは難しいかもしれませんが、その量を大幅に減らす効果が期待できます。

もし結露が発生してしまっても、サンシェードが水分をある程度受け止めてくれるため、内装や荷物が濡れるのを防ぐ役割も果たします。車中泊後の片付けの手間を減らす意味でも、サンシェードの利用は非常に有効と言えるでしょう。

100均アイテムを使ったサンシェードの自作・カスタム術

セリアの既製サンシェードは手軽で便利ですが、サイズが合わなかったり、もう少し性能を高めたいと感じたりすることもあるでしょう。そんなときは、100均のアイテムを組み合わせて、自分の車にぴったりのサンシェードを自作・カスタムするのがおすすめです。DIY初心者でも驚くほど簡単にできる方法をご紹介します。

アルミシートを使った簡単DIY方法

自分の車の窓にジャストフィットするサンシェードを作る最も簡単な方法は、100均のアルミシート（銀マット）を使うことです。 セリアやダイソーで手に入る「両面アルミ保温シート」などが最適です。

【準備するもの】
アルミシート（セリア「70×180cm 両面 アルミ保温シート」など）
新聞紙や大きなビニール袋（型紙用）
ハサミ、カッター
油性ペン
養生テープ
吸盤（必要に応じて）
ハトメパンチ（あると便利）

【作成手順】

1. 型紙をとる： まず、サンシェードを作りたい窓の型紙を作ります。 新聞紙やビニール袋を窓に当て、霧吹きで少し濡らすと貼り付きやすくなります。窓の縁に沿って油性ペンで線を引いていきましょう。
2. 型紙を切り出す： 線に沿って型紙をハサミで切り抜きます。このとき、実際の窓枠より少し大きめに切るのがポイントです。
3. アルミシートをカット： 切り出した型紙をアルミシートの上に置き、養生テープで固定します。型紙の縁に沿って油性ペンで印をつけ、ハサミやカッターでアルミシートを切り出します。ここでも、印より1〜2cmほど大きめにカットすると、微調整がしやすくなります。
4. 取り付けと微調整： 切り出したアルミシートを実際に窓にはめ込んでみます。大きすぎる部分は、少しずつハサミでカットして調整し、窓枠にぴったりはまるように仕上げます。この方法なら、サイドガラスやリアガラスなど、どんな形の窓にも対応可能です。吸盤を使わなくても、窓枠にしっかりはめ込むだけで固定できるため、見た目もすっきりします。

サイズが合わないときの調整テクニック

市販のサンシェードを購入したものの、サイズが微妙に合わない…という場合も諦める必要はありません。少しの工夫でフィット感を向上させることができます。サンシェードが小さい場合：
すき間ができてしまう場合は、同じアルミシートの切れ端や、黒いフェルト生地などをすき間の形に合わせてカットし、養生テープや両面テープでサンシェードに貼り足します。これにより、光の漏れを防ぎ、プライバシーも向上します。

サンシェードが大きい場合：
大きい場合は、車内の窓枠の形に合わせて余分な部分をハサミでカットするだけです。ただし、切りすぎると元に戻せないので、少しずつ慎重に作業しましょう。角の部分を丸くカットすると、よりフィットしやすくなります。

また、複数のサンシェードを少し重ねてテープで連結し、大きな一枚のシェードとして使う方法もあります。特にミニバンの大きなサイドガラスなどには有効なテクニックです。

遮光性と断熱性を高める一工夫

100均のアルミシートは薄手のため、遮光性や断熱性に物足りなさを感じることもあるかもしれません。そんなときは、シートを二重、三重に重ねて厚みを出すのが効果的です。スプレーのりなどで貼り合わせれば、より丈夫で高性能なオリジナルシェードが完成します。

さらに見た目と機能性をアップさせるなら、アルミシートの車内側に黒い布やフェルトを貼り付けるのがおすすめです。黒い色は光を吸収するため、車内側からの光の反射を抑え、より安眠しやすい環境を作ることができます。また、布を一枚挟むことで断熱性もわずかに向上し、見た目も安っぽさがなくなります。

冬場の結露対策を強化したい場合は、プチプチ（気泡緩衝材）をアルミシートと窓ガラスの間に挟むのも良いでしょう。空気の層が増えることで、断熱効果がさらに高まります。

セリア以外の100均（ダイソー・キャンドゥ）商品との比較

サンシェードやDIYの材料は、セリアだけでなくダイソーやキャンドゥでも手に入ります。 各社で品揃えや特徴が少しずつ異なるため、目的に合わせて使い分けるのが賢い方法です。

例えば、フロント用はデザインが気に入ったセリアのものを使い、サイド用はサイズが豊富なダイソーのアルミシートで自作する、といった使い分けも可能です。 複数の100円ショップを回ってみることで、より自分の理想に近い車中泊環境を低コストで実現できるでしょう。

セリアのサンシェードを車中泊で賢く使うコツ

セリアのサンシェードは、そのままでも十分に役立ちますが、いくつかのコツを押さえることで、さらに快適かつ長持ちさせることができます。取り付けの基本から、ちょっとした工夫、そして保管方法まで、車中泊で最大限に活用するためのポイントをご紹介します。

取り付け・取り外しのポイント

サンシェードの取り付けは簡単ですが、少し意識するだけでフィット感や持続性が大きく変わります。

取り付け時のポイント：
まず基本となるのが、窓ガラスをきれいにすることです。 吸盤を取り付ける前に、濡れた布やクリーナーでガラスの表面を拭き、ホコリや油膜を完全に取り除きましょう。これだけで吸盤の吸着力は格段に向上します。吸盤自体も、少し湿らせるか、息を「はーっ」と吹きかけてから貼り付けると、真空状態になりやすく、より強力に固定できます。

サンシェードを広げる際は、ゆっくりと丁寧に行いましょう。特にワイヤーが入っているポップアップ式のものは、勢いよく開くと顔などに当たる可能性があるので注意が必要です。

取り外し時のポイント：
取り外す際に、吸盤を無理やり引っ張るのは禁物です。吸盤が変形したり、吸盤の付け根がシェードから剥がれたりする原因になります。吸盤の縁にあるつまみをそっと持ち上げて、空気を入れながらゆっくりと剥がすのが正しい方法です。

すき間をなくすための工夫

汎用品のサンシェードを使う上で避けられないのが、窓との間にできる「すき間」です。このすき間から光が漏れたり、外から中が見えてしまったりすると、せっかくのプライベート空間が台無しになってしまいます。

すき間を埋めるための簡単な方法として、洗濯ばさみやクリップが活躍します。 サンシェードの端を、車内のアシストグリップやピラー（柱）の内張りなどに挟んで固定するだけで、たるみがなくなりフィット感が向上します。

また、100均で手に入る小さな「ネオジム磁石」を使うのも非常に効果的です。サンシェードの縁の数カ所にテープで磁石を貼り付け、車体の金属部分（窓枠など）に直接くっつけて固定します。 これにより、吸盤が届かない場所でもしっかりと固定でき、すき間を限りなくゼロに近づけることが可能です。黒い布テープやフェルトをすき間に詰め込むという原始的な方法も、意外と効果があります。

保管方法と長持ちさせる秘訣

お気に入りのサンシェードを長く使うためには、適切な保管が重要です。特に100均のサンシェードはデリケートな場合が多いため、少しの気配りで寿命が変わってきます。

折りたたみと収納：
使用後は、製品にもともと付いているゴムバンドや収納袋を使い、コンパクトにまとめましょう。 折りたたむ際は、シワや折り目が強くつきすぎないように、丁寧に扱うことが大切です。特にアルミ蒸着フィルムは、強い折り目がつくとそこから剥離してしまうことがあります。

保管場所：
保管場所として最適なのは、直射日光が当たらず、高温になりすぎない場所です。ダッシュボードの上や後部座席の足元に放置すると、熱で吸盤が変形したり、生地が劣化したりする原因となります。 シートの背面ポケットや、トランクの隅など、定位置を決めて保管する習慣をつけると良いでしょう。

吸盤は、平らな面に貼り付けた状態で保管するのが理想です。長期間使わない場合は、シェードから取り外し、吸盤だけでクリアファイルなどに貼り付けておくと、変形を防ぐことができます。

まとめ：100均セリアのサンシェードを賢く使って快適な車中泊を

この記事では、100均セリアの車用サンシェードに焦点を当て、車中泊での活用法を多角的に解説しました。

セリアのサンシェードは、110円という圧倒的なコストパフォーマンスで、車中泊に不可欠なプライバシー確保と基本的な遮光・断熱性能を提供してくれます。 もちろん、高級な専用品に比べれば薄さや吸盤の弱さといった点はありますが、それらは少しの工夫で十分にカバーできる範囲です。

重要なのは、サンシェードが夏の日差しや冬の冷気を和らげ、一年を通して車内環境を快適に保つ役割を担っていることを理解することです。 さらに、外からの視線を遮ることで、安心して休息できるプライベート空間を作り出し、防犯対策にも繋がります。

もし市販品で満足できなければ、セリアや他の100均で手に入るアルミシートなどを使って、自分の車にぴったりのサンシェードを自作する楽しみもあります。 自分の手で作り上げたアイテムは愛着も湧き、車中泊の体験をより豊かなものにしてくれるでしょう。

これから車中泊を始める方にとって、100均セリアのサンシェードは、まず試してみる価値のある優れた入門アイテムです。この記事で紹介した知識と工夫を活用し、賢く、そして快適な車中泊を楽しんでください。