車で旅をするとき、一番気になるのが「どこで寝るか」と「お風呂はどうするか」ではないでしょうか。特に、観光スポットが密集する東京での車中泊は、場所に悩む方も多いかもしれません。そんな時、スーパー銭湯が旅の拠点として非常に便利なのをご存知でしたか?広い駐車場、温かいお風呂、おいしい食事、そして休憩スペース。車中泊に必要な要素が、スーパー銭湯には揃っています。
しかし、「スーパー銭湯の駐車場で勝手に寝ていいの?」という疑問も湧いてきますよね。この記事では、東京でスーパー銭湯を拠点にした車中泊を考えているあなたのために、車中泊が可能な施設の情報から、知っておくべきマナーや注意点、そしてスーパー銭湯を利用するメリット・デメリットまで、わかりやすく解説していきます。ルールを守って、快適で安全な東京車中泊の旅を楽しみましょう。
東京のスーパー銭湯で車中泊はできる?現状と注意点

東京観光を車中泊で楽しみたいと考えたとき、スーパー銭湯の広い駐車場はとても魅力的に映ります。しかし、そもそもスーパー銭湯の駐車場で車中泊をすることは許されているのでしょうか。ここでは、その現状と、車中泊をする上での基本的なルールについて解説します。
そもそもスーパー銭湯で車中泊は公認されている?
結論から言うと、ほとんどのスーパー銭湯では、駐車場での車中泊を公式には認めていません。スーパー銭湯の駐車場は、あくまで施設利用者のための一時的な駐車スペースです。そのため、入浴や食事などの利用時間を超えて、夜通し駐車すること(仮眠や宿泊)は、原則として禁止されています。
無断で車中泊を行うと、不審者として通報されたり、注意を受けたりする可能性があります。特に都心部の施設では、駐車場の管理が厳格で、長時間の駐車はトラブルの原因になりかねません。快適な旅を続けるためにも、施設のルールを無視した無断駐車は絶対にやめましょう。
車中泊が「黙認」されている施設もあるのが実情
公式に許可している施設は少ない一方で、車中泊が「黙認」されているケースも存在します。特に郊外の大型スーパー銭湯などでは、駐車場が非常に広く、夜間も比較的静かな環境であるため、他の利用者の迷惑にならない範囲での仮眠が事実上見過ごされていることがあります。
ただし、これはあくまでも施設側の厚意による「黙認」であり、「許可」ではありません。そのため、いつルールが変更されてもおかしくないという点を理解しておく必要があります。もし、グレーゾーンの施設を利用する場合は、必ず施設内で食事をしたり、長時間入浴したりと、しっかりとお金を使い、利用者としてマナーを守ることが暗黙の了解となります。
車中泊する際の基本的なマナーとルール
スーパー銭湯の駐車場に限らず、車中泊を行う際には守るべき基本的なマナーがあります。これらを守ることが、車中泊という文化を維持し、他の旅行者や地域住民とのトラブルを避けるために不可欠です。
アイドリングストップ: 騒音や排気ガスは周囲の迷惑になります。エンジンは必ず切りましょう。
ゴミの処理: 持ち込んだゴミは必ず自分で持ち帰ります。施設のゴミ箱に捨てるのはマナー違反です。
静かに過ごす: 深夜のドアの開閉音や話し声は、思った以上に響きます。静かに過ごしましょう。
長期滞在をしない: 同じ場所に何日も滞在するのはやめましょう。あくまでも仮眠・休憩の範囲で利用します。
車外での調理や宴会はしない: 駐車スペースで椅子やテーブルを広げる行為はキャンプ行為とみなされ、禁止されています。
これらのマナーを守り、施設や他の利用者、近隣住民への配慮を忘れないことが、気持ちよく車中泊を楽しむための大前提となります。
車中泊も可能!東京近郊のおすすめ温浴施設&RVパーク

「マナーはわかったけど、具体的にどこなら安心して車中泊できるの?」と思いますよね。ここでは、車中泊利用者からの評判が良い東京近郊のスーパー銭湯や、正式に車中泊が許可されているRVパークをご紹介します。
【八王子市】竜泉寺の湯 八王子みなみ野店(周辺駐車場情報)
「竜泉寺の湯 八王子みなみ野店」は、高濃度炭酸泉や岩盤浴が人気の大型スーパー銭湯です。 450台を収容できる広大な無料駐車場があり、営業時間が朝6時から深夜3時までと非常に長いのが特徴です。
この施設の駐車場で公式に車中泊が許可されているわけではありません。 しかし、営業時間の長さを利用して、深夜まで入浴や食事を楽しみ、その後近くのコインパーキングへ移動して仮眠を取るというスタイルで利用する車中泊ファンが多いようです。施設の駐車場はあくまで営業時間内の利用とし、仮眠は別の場所で行うのが賢明な方法です。
| 施設名 | 竜泉寺の湯 八王子みなみ野店 |
|---|---|
| 住所 | 東京都八王子市みなみ野1-2-1 |
| 営業時間 | 朝6:00~深夜3:00 |
| 駐車場 | 450台(無料) |
| 特徴 | 高濃度炭酸泉、多種類の岩盤浴、食事が充実 |
【多摩市】極楽湯 多摩センター店(周辺駐車場情報)
サンリオピューロランドの近くにある「極楽湯 多摩センター店」も、多くの車中泊ユーザーに利用されています。天然温泉ではありませんが、多彩なお風呂と食事が楽しめる施設です。
こちらも竜泉寺の湯と同様に、施設駐車場での宿泊は公式には認められていません。 しかし、周辺には24時間営業のコインパーキングが多数存在します。スーパー銭湯でゆっくりと旅の疲れを癒やし、食事を済ませた後、近くのコインパーキングで静かに休むというプランがおすすめです。事前に周辺の駐車場情報を調べておくとスムーズでしょう。
| 施設名 | 極楽湯 多摩センター店 |
|---|---|
| 住所 | 東京都多摩市落合1-30-1 |
| 営業時間 | 9:00~深夜2:00(土日祝は7:00~) |
| 駐車場 | 160台(施設利用で割引あり) |
| 特徴 | サンリオキャラクターとのコラボ、ジェットバス、うたた寝処 |
【江戸川区】天然温泉 乙女湯(周辺の車中泊スポット)
東京23区内で天然温泉の銭湯として知られるのが「乙女湯」です。 こちらはスーパー銭湯ではなく昔ながらの銭湯ですが、都内では珍しい黒湯の天然温泉に入ることができます。
乙女湯の駐車場(約20台)での車中泊はできませんが、車で15分ほどの距離にある「若洲海浜公園駐車場」は、車中泊スポットとして有名です。 乙女湯で温泉とサウナを満喫した後に若洲海浜公園へ移動し、東京ゲートブリッジの夜景を眺めながら車中泊、というプランはいかがでしょうか。 都心で自然を感じながら過ごせる貴重なスポットです。
| 施設名 | 天然温泉 乙女湯 | 若洲海浜公園 駐車場 |
|---|---|---|
| 住所 | 東京都江戸川区船堀5-13-10 | 東京都江東区若洲 |
| 特徴 | 黒湯の天然温泉、サウナ | 東京ゲートブリッジの夜景、広大な公園 |
| 注意点 | 駐車場での車中泊は不可 | 夜間閉鎖の時間帯があるため要確認 |
23区内で安心して車中泊するなら「RVパーク」
「やはり無断駐車や黙認というのは気が引ける…」という方には、有料ですが安心して堂々と車中泊ができる「RVパーク」の利用が断然おすすめです。 RVパークは、日本RV協会が認定する車中泊専用のスペースで、電源設備や24時間利用可能なトイレ、ゴミ処理サービスなどが整っていることが多いのが特徴です。
東京都内にも数は少ないですが、RVパークが存在します。 例えば、墨田区にある「RVパーク東京・東墨田」や、北区の「くるま旅パーク東京オートキャンパー王子神谷」などがあり、都心へのアクセスも良好です。 事前予約が必要な場合がほとんどですが、プライバシーも守られ、快適な車中泊が約束されます。
| RVパーク名 | RVパーク東京・東墨田 | くるま旅パーク東京オートキャンパー王子神谷 |
|---|---|---|
| 所在地 | 東京都墨田区東墨田1-2-14 | 東京都北区神谷3-40-14 |
| 利用料金 | 5,000円~/1泊 | 4,500円~/1泊 |
| 特徴 | 24時間利用OK、電源あり、ゴミ処理可 | 電源あり、水道あり、ペット可 |
| 予約 | 事前予約推奨 | 要予約 |
スーパー銭湯を拠点にした車中泊のメリット

なぜ多くの車旅ユーザーが、旅の拠点としてスーパー銭湯を選ぶのでしょうか。そこには、車中泊との相性が抜群な、たくさんのメリットが存在します。ここでは、その魅力を3つのポイントに分けてご紹介します。
旅の疲れを癒す大きなお風呂とサウナ
車中泊の旅は、長時間同じ姿勢で運転したり、限られたスペースで眠ったりするため、思った以上に体に疲れが溜まるものです。そんな時、足を伸ばしてゆったりと浸かれる大きなお風呂は、何よりのご褒美になります。
スーパー銭湯には、露天風呂やジェットバス、高濃度炭酸泉、電気風呂など、様々な種類のお風呂が揃っています。 血行を促進し、筋肉のコリをほぐしてくれるので、体の芯からリフレッシュすることができます。さらに、最近人気のサウナで汗を流せば、心身ともに「ととのう」感覚を味わえ、翌日の運転や観光への活力が湧いてくるでしょう。
食事処や休憩スペースが充実
車中泊では、食事をコンビニ弁当や簡単な自炊で済ませがちですが、たまには温かい出来立ての料理が食べたくなりますよね。スーパー銭湯の多くは、本格的な食事処を併設しており、定食や麺類、おつまみまで豊富なメニューが揃っています。 入浴後に、冷えたビールと美味しい食事を楽しむ時間は、車中泊の旅の醍醐味の一つと言えるでしょう。
また、リクライニングシートが並んだ休憩スペースや、漫画コーナーが充実している施設も多くあります。 テレビを見ながらうたた寝をしたり、読みたかった漫画を一気読みしたりと、まるで自宅のようにリラックスして過ごせるのが大きな魅力です。Wi-Fi環境が整っている施設も多いので、次の日の観光情報を調べるのにも便利です。
防犯面での安心感と利便性
夜間に道の駅やサービスエリアで車中泊をする際、周囲の環境によっては少し不安を感じることもあるかもしれません。その点、スーパー銭湯の駐車場は、夜間も照明が明るく、スタッフや他の利用者の出入りがあるため、比較的安心して過ごすことができます。
また、24時間利用可能なトイレが併設されている施設も多く、夜中にトイレに行きたくなっても困りません。 自動販売機も設置されているので、喉が渇いた時にもすぐに飲み物を買うことができます。 このような利便性の高さも、スーパー銭湯が車中泊の拠点として選ばれる大きな理由です。
知っておきたい!スーパー銭湯車中泊のデメリットと対策

多くのメリットがあるスーパー銭湯での車中泊ですが、もちろん良いことばかりではありません。快適な車中泊にするためには、デメリットもしっかりと理解し、事前に対策を立てておくことが重要です。ここでは、注意すべき3つのポイントとその対策について解説します。
深夜の出入りやアイドリング音などの騒音問題
スーパー銭湯は深夜まで営業していることが多く、駐車場には遅い時間まで車の出入りがあります。ドアの開閉音や、駐車場を探して走行する車の音、中にはエンジンをかけっぱなしにする人もいるかもしれません。音が気になってなかなか寝付けないという可能性は十分に考えられます。
耳栓やアイマスクを持参するだけでも、外部の音や光をかなり遮断できます。また、駐車する場所を工夫するのも一つの手です。建物の出入り口から少し離れた、人の往来が少ないエリアを選ぶと、比較的静かに過ごせるでしょう。
施設のルールや営業時間の確認は必須
繰り返しになりますが、ほとんどのスーパー銭湯では駐車場での宿泊を公式に許可していません。「黙認」されている場合でも、いつルールが変更になるかわかりません。 事前に公式サイトで「駐車場での長時間の滞在」や「仮眠」に関する注意書きがないか確認しておくことが大切です。
また、施設の営業時間、特に最終受付時間や退館時間は必ずチェックしておきましょう。「お風呂に入ってから車で寝よう」と思っていたのに、気づいたら最終受付時間を過ぎていた、なんてことになったら目も当てられません。深夜料金の有無なども含め、事前に調べておくことでスムーズに利用できます。
夏場の暑さ・冬場の寒さ対策
車中泊で最も過酷なのが、季節による気温の変化です。特に夏場の車内は、窓を閉め切っているとあっという間にサウナ状態になり、熱中症の危険性が非常に高まります。かといって、防犯上窓を開けっ放しにするのも不安です。
冬場は逆に、エンジンを切った車内は外気と変わらないほど冷え込みます。寒さで眠れないだけでなく、体調を崩す原因にもなりかねません。
夏: USBで動く小型扇風機や、車のバッテリーを使わないポータブル電源と扇風機を組み合わせるのがおすすめです。また、窓に網戸を取り付ければ、虫の侵入を防ぎながら換気ができます。断熱効果のあるサンシェードも必須アイテムです。
冬: 保温性の高い寝袋(シュラフ)は必須です。冬用のものを選びましょう。電気毛布とポータブル電源の組み合わせも非常に有効です。窓からの冷気を防ぐために、厚手のサンシェードやカーテンを取り付けるのも効果的です。
まとめ:東京でのスーパー銭湯車中泊を快適に楽しむために

この記事では、東京でスーパー銭湯を拠点にした車中泊について、その可否やマナー、おすすめの施設、メリット・デメリットを解説しました。
東京のスーパー銭湯は、公式に車中泊を許可している場所はほとんどありません。しかし、RVパークのような公認施設を利用したり、深夜まで営業しているスーパー銭湯でリフレッシュした後に近くのコインパーキングへ移動したりと、工夫次第で快適な車中泊は可能です。
重要なのは、施設のルールを尊重し、周囲への配慮を忘れないことです。アイドリングストップやゴミの持ち帰りといった基本的なマナーを守ることが、すべての車中泊旅行者にとって気持ちの良い環境を維持することに繋がります。
この記事で紹介した情報を参考に、しっかりと準備と対策をして、安全で楽しい東京での車中泊の旅に出かけてみてください。



コメント