妊娠中、ふと自然の中に身を置きたくなることはありませんか。これから赤ちゃんが生まれると、しばらくはアウトドアを楽しむ時間が取りにくくなるかもしれません。「今のうちに夫婦二人でゆっくり過ごしたい」「上の子を自然の中で遊ばせてあげたい」そう考える妊婦さんも多いことでしょう。
しかし、妊娠中の体はとてもデリケートです。普段通りのキャンプをすると、思わぬ体調不良やトラブルにつながる可能性もあります。
そこで今回は、妊婦さんでも安全に、そして快適にアウトドアを楽しむための方法を詳しくご紹介します。特に、テント設営の負担が少なく、天候の変化にも強い「車中泊スタイル」を取り入れたキャンプは、妊婦さんにとって非常に有効な選択肢となります。無理のない計画で、素敵なマタニティライフの思い出を作りましょう。
妊婦がキャンプに行く時期はいつがベスト?安定期を選ぶ重要性

妊娠中にキャンプや旅行を計画する際、最も重要になるのが「時期」の選び方です。妊娠期間は大きく初期、中期、後期に分けられますが、それぞれの時期によって母体の状態や赤ちゃんへのリスクが大きく異なります。ご自身の体調を最優先に考えることはもちろんですが、一般的にどの時期なら比較的安全に過ごせるのかを知っておくことが大切です。ここでは、妊娠中の各ステージにおけるアウトドアの可否や注意点について詳しく解説していきます。
妊娠初期(〜15週)は控えるのが賢明です
妊娠初期は、まだ胎盤が完成しておらず、赤ちゃんの器官が形成される非常に重要な時期です。この時期の妊婦さんは、ホルモンバランスの急激な変化により、つわりで体調が優れない日が多くなります。また、見た目にはお腹が目立たなくても、流産のリスクが最も高い時期でもあります。
キャンプ場では、急な体調変化に対応できる環境が整っていないことがほとんどです。つわりで気分が悪くなったとしても、すぐに横になれる清潔で静かな場所を確保するのは難しいかもしれません。また、キャンプ特有の匂い(炭の匂いや料理の匂いなど)がつわりを悪化させる原因になることもあります。
「自分はつわりが軽いから大丈夫」と思っていても、慣れない環境での疲れが引き金となって、急に出血や腹痛が起こる可能性も否定できません。万が一の事態が起きた際、山間部のキャンプ場から病院へ搬送されるには時間がかかります。大切な赤ちゃんとママの体を守るためにも、この時期のアウトドアは勇気を持って延期することをおすすめします。
安定期(16週〜27週)が最も適したタイミングです
妊娠5ヶ月から7ヶ月にあたる「安定期」は、妊婦さんがキャンプを楽しむのに最も適した時期と言えます。この頃になると胎盤が完成し、つわりの症状も落ち着いてくる方が多いため、心身ともに余裕が出てきます。お腹の膨らみもまだそれほど大きくなく、比較的動きやすい時期です。
しかし、「安定期」といっても「絶対に安全な時期」という意味ではありません。あくまで初期に比べて流産のリスクが下がり、体調が安定しやすい時期というだけです。無理なスケジュールや激しい運動は禁物です。医師に事前の相談をし、許可を得た上で計画を立てるようにしましょう。
この時期にキャンプへ行くなら、ゆったりとしたスケジュールを組み、体に負担をかけないことが鉄則です。例えば、設営や料理などの力仕事はパートナーに任せ、妊婦さんは椅子に座って自然の空気を楽しむスタイルが良いでしょう。また、冷え対策や休憩場所の確保など、事前の準備を万全にしておくことで、より安心して楽しむことができます。夫婦二人きりの時間を楽しめる貴重なチャンスでもあります。
妊娠後期(28週〜)はリスクが高まるため避けましょう
妊娠後期に入ると、お腹は急激に大きくなり、足元が見えにくくなったり、バランスを取りにくくなったりします。キャンプ場は地面が平らでない場所が多く、木の根や石につまずいて転倒するリスクが高まります。妊婦さんの転倒は、早産や常位胎盤早期剥離といった重大なトラブルにつながる恐れがあるため、細心の注意が必要です。
また、お腹が大きくなることで内臓が圧迫され、頻尿になったり、少し動くだけで息切れしたりと、日常生活でも不便を感じることが増えてきます。夜間のトイレが近いことも、キャンプ場では大きなストレスになりかねません。テントからトイレまでの距離が遠かったり、暗い夜道を歩かなければならなかったりするのは、妊婦さんにとって大変危険です。
さらに、いつ破水や陣痛が起きてもおかしくない時期に差し掛かっています。キャンプ場から産科のある病院までは距離があることが多く、緊急時の対応が遅れる可能性があります。37週以降の正産期はもちろんですが、28週以降も基本的には宿泊を伴う遠出は控え、自宅近くで穏やかに過ごすことを優先してください。
妊娠中のキャンプで絶対に守りたい5つの注意点

妊娠中の体は、自分でも驚くほど変化しています。普段なら何ともないことでも、妊娠中には大きな負担となったり、危険につながったりすることがあります。安全に楽しい時間を過ごすためには、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。ここでは、妊婦さんがキャンプをする際に、特に気をつけていただきたい5つの注意点を具体的に解説します。
急激な気温変化による体調不良を防ぐ
キャンプ場、特に標高の高い場所や山間部では、昼夜の寒暖差が激しくなります。昼間は汗ばむほどの陽気でも、日が沈むと急激に冷え込むことは珍しくありません。妊婦さんにとって「冷え」は大敵です。体が冷えると血流が悪くなり、お腹が張りやすくなったり、足がつりやすくなったりします。
夏場のキャンプであっても、必ず羽織れる上着やブランケットを持参してください。足首や首元を冷やさないためのレッグウォーマーやストールも役立ちます。逆に、真夏の暑さも危険です。妊娠中は基礎体温が高く、熱中症になりやすい状態です。こまめな水分補給はもちろん、日陰の確保や、扇風機などの冷却グッズを活用しましょう。
車中泊を取り入れる場合は、車のエアコンを適切に使用することで、温度管理がしやすくなります。ただし、長時間エンジンをかけっぱなしにすることはマナー違反や一酸化炭素中毒のリスクもあるため、ポータブル電源と電気毛布や扇風機を組み合わせるなどの工夫が必要です。自身の体感温度に合わせて、こまめに調整できる準備をしておくことが大切です。
重い荷物の運搬や設営作業は行わない
キャンプには、テントやタープ、クーラーボックスなど、重い荷物がつきものです。しかし、妊婦さんが重いものを持つことは避けてください。重いものを持つとお腹に力が入り、子宮収縮を誘発する可能性があります。また、妊娠中はホルモンの影響で関節が緩んでおり、腰痛を起こしやすい状態でもあります。
テントの設営やペグ打ちなども、しゃがんだり立ったりを繰り返す動作が多く、お腹への負担が大きくなります。これらの作業は、基本的にパートナーや一緒に行く家族、友人に任せるようにしましょう。「自分も手伝わないと悪い」と気を使う必要はありません。今は赤ちゃんを守ることが最大の仕事です。
もし手伝いたい場合は、軽い小物類を並べたり、テーブルの上を拭いたりといった、体に負担のかからない軽作業にとどめてください。椅子に座ったままできる作業を担当するのも良い方法です。周囲の人にあらかじめ「今回は重いものが持てない」と伝えておき、甘えられるところはしっかり甘えることが、トラブル回避の鍵となります。
食中毒リスクを避けるための食材管理と加熱
妊娠中は免疫力が低下しており、普段よりも食中毒にかかりやすくなっています。特に注意したいのが「リステリア菌」や「トキソプラズマ」といった、妊娠中に感染すると胎児に影響を及ぼす可能性のある細菌や寄生虫です。これらは加熱不十分な肉や、洗っていない野菜、ナチュラルチーズなどに潜んでいることがあります。
キャンプでのバーベキューは楽しいものですが、肉の焼き加減には普段以上に神経を使ってください。生焼けの肉を食べることは絶対に避け、中心部までしっかりと火を通すことが重要です。また、生肉を扱ったトングや箸で、焼けた肉や野菜を取り分けないように注意しましょう。
食材の保存管理も大切です。クーラーボックスの保冷力は時間とともに低下します。特に夏場は食材が傷みやすいため、肉や魚は早めに調理するか、冷凍した状態で持ち運ぶなどの対策が必要です。生野菜のサラダなどは避け、加熱調理したメニューを中心にするのが無難です。飲料水も、現地の湧き水などは避け、持参したミネラルウォーターか、沸騰させたお湯を使用してください。
虫刺されや感染症への対策を徹底する
自然の中には、蚊やブヨ、マダニなど、多くの虫が生息しています。妊娠中は体温が高く、呼吸数も増えるため、実は普段よりも虫に刺されやすい状態にあります。虫刺されによる痒みや腫れはストレスになるだけでなく、マダニなどが媒介する感染症のリスクもあります。
虫除けスプレーは必須アイテムですが、成分によっては妊娠中に使いすぎない方が良いものもあります。肌に優しい天然成分(ハッカ油やシトロネラなど)を使用した虫除けを選ぶか、服の上から使用するタイプを選ぶと安心です。また、最も効果的な対策は肌の露出を控えることです。薄手の長袖・長ズボンを着用し、足首もしっかりカバーしましょう。
夏場でも、メッシュ素材のパーカーなどを羽織ることで、通気性を保ちながら虫を防ぐことができます。ポイズンリムーバー(毒抜き)を救急セットに入れておくのも良いでしょう。万が一虫に刺されてしまい、異常な腫れや体調変化が見られた場合は、無理をせず早めに皮膚科を受診してください。薬を使用する際も、必ず妊娠中であることを医師に伝えてください。
長時間の車移動による振動とエコノミークラス症候群
キャンプ場への移動は車を使うことが多いですが、長時間のドライブには注意が必要です。車の振動がお腹に伝わり続けると、お腹が張りやすくなることがあります。また、妊娠中は血液が固まりやすくなっているため、長時間同じ姿勢で座り続けると「エコノミークラス症候群(血栓症)」のリスクが高まります。
移動の際は、少なくとも1時間に1回は休憩を取りましょう。車から降りて軽く歩いたり、ストレッチをして血流を良くしたりすることが大切です。水分補給もこまめに行ってください。トイレが近くなることを考慮し、サービスエリアや道の駅の場所を事前にチェックしておくことも忘れてはいけません。
シートベルトの着用方法にもコツがあります。お腹を締め付けないよう、腰ベルトはお腹の膨らみの下(骨盤の位置)に通し、肩ベルトは胸の間からお腹の脇を通すようにします。マタニティ専用のシートベルト補助具を使用するのもおすすめです。渋滞に巻き込まれると休憩が取りにくくなるため、余裕を持ったスケジュールを組み、混雑する時間帯を避けて出発するよう心がけましょう。
テント泊よりも車中泊がおすすめな理由

「キャンプといえばテント」というイメージが強いかもしれませんが、妊婦さんには断然「車中泊」をおすすめします。テント泊には地面の凹凸や設営の手間など、妊婦さんにとってハードルの高い要素がいくつかありますが、車中泊ならそれらの多くを解決できます。ここでは、なぜ車中泊がマタニティキャンプに適しているのか、そのメリットを掘り下げていきます。
フラットな就寝スペースで体への負担を軽減できる
テント泊で最も辛いのが「寝心地」の問題です。どれだけマットを敷いても、地面の硬さや傾斜、凹凸を完全に消すことは難しく、大きなお腹を抱えた妊婦さんにとっては腰や背中への負担が大きくなります。また、一度寝転がると起き上がるのが大変で、夜中のトイレ移動も一苦労です。
一方、車中泊(特にフルフラットになる車種)であれば、しっかりとした厚みのあるマットを敷くことで、ベッドに近い寝心地を確保できます。地面からの底冷えや湿気の影響も受けにくいため、体を冷やすリスクも減らせます。しっかりと平らな面を確保できることは、良質な睡眠をとるために不可欠です。
さらに、車内であれば、起き上がる際に手すりやシートの背もたれを支えにすることができます。お腹が大きくなると「寝返りを打つ」「起き上がる」という動作一つ一つに力が必要になりますが、車中泊ならその負担を最小限に抑えられます。抱き枕を持ち込みやすいのも、車内というプライベート空間ならではの利点です。
空調設備を活用して快適な温度を保てる
前述の通り、妊婦さんにとって温度管理は非常に重要です。テント泊の場合、真夏の暑さや朝晩の冷え込みに対しては、衣類や寝袋だけで調整しなければならず、限界があります。特に熱帯夜などは、熱中症のリスクと隣り合わせです。
車中泊の大きなメリットは、エアコンやヒーターを活用できる点です(※アイドリングについてはキャンプ場のルールに従い、ポータブル電源等の活用を推奨します)。最近では、エンジンを切った状態でも使えるポータブルクーラーや電気毛布を持ち込むキャンパーが増えています。車という密閉性の高い空間なら、これらの機器の効率も良く、快適な室温を維持しやすくなります。
「暑すぎて眠れない」「寒くてお腹が張る」といった事態を避けることができるのは、母体にとっても赤ちゃんにとっても大きな安心材料です。天候が急変して暴風雨になった場合でも、車内なら雨風を完全に防ぐことができ、慌てて撤収作業をする必要もありません。
セキュリティと防音性で安心して休める
キャンプ場は壁のない開放的な空間ですが、それゆえに周囲の音や気配が気になることもあります。妊娠中はホルモンの影響で眠りが浅くなったり、些細な音に敏感になったりすることがあります。隣のサイトの話し声や足音が気になって眠れないと、翌日の体調に響いてしまいます。
車中泊なら、ドアを閉めればある程度の防音効果が期待できます。鍵をかけられるというセキュリティ面での安心感も、心理的なリラックスにつながります。特に夜間、女性や子供を守るという意味でも、施錠できる車内は安全な避難場所となります。
また、着替えや体のケアをする際も、シェードやカーテンを閉めれば完全なプライベート空間になります。妊娠線予防のクリームを塗ったり、腹帯を調整したりといった、人に見られたくないケアも車内なら気兼ねなく行えます。周囲の視線を気にせず、自分のペースで過ごせる空間があることは、妊婦さんにとって大きなメリットと言えるでしょう。
妊婦に優しいキャンプ場の選び方と必須設備

妊娠中のキャンプを成功させるかどうかは、キャンプ場選びにかかっていると言っても過言ではありません。景色や雰囲気の良さだけで選んでしまうと、現地に行ってから不便な思いをすることになります。妊婦さんが安全かつ快適に過ごすために、必ずチェックしておきたい条件と設備について解説します。
産婦人科や総合病院までのアクセスを確認する
何よりも優先すべきは「万が一の時のアクセス」です。キャンプ場選びの際は、必ず最寄りの救急病院や産婦人科までの所要時間を調べてください。理想は、キャンプ場から車で30分以内に医療機関があることです。
人里離れた秘境のようなキャンプ場は魅力的ですが、携帯電話の電波が届かない場所や、救急車が到着するのに時間がかかるような場所は避けましょう。予約をする前に、Googleマップなどで病院までのルートを確認し、電話がつながるエリアであるかどうかも公式サイトや口コミでチェックしておく必要があります。
また、母子手帳と健康保険証は常に携帯し、何かあった際にすぐ提示できるようにしておきましょう。現地の病院にかかる可能性もゼロではないため、診察券や現金も多めに用意しておくと安心です。
トイレの清潔さと様式タイプは譲れない条件
妊婦さんにとって、トイレ環境は非常に重要です。妊娠後期になるとお腹が大きくなり、足元が見えにくくなるため、和式トイレでのしゃがみ込み動作はバランスを崩しやすく危険です。また、頻尿になるため、トイレに行く回数も増えます。
キャンプ場を選ぶ際は、「洋式トイレ(できれば温水洗浄便座付き)」があるかどうかを必ず確認してください。さらに、トイレがサイトから近いかどうかもポイントです。広いフリーサイトなどでは、トイレまで数分歩かなければならないこともありますが、夜間の移動を考えると、トイレに近い区画サイトや、トイレ棟の近くを予約するのが賢明です。
加えて、トイレの清潔さもチェックポイントです。最近の高規格キャンプ場(設備が整ったキャンプ場)は、ショッピングモール並みに綺麗なトイレを備えているところも増えています。衛生面での不安を減らすためにも、こうした設備の整ったキャンプ場を選ぶことを強くおすすめします。
車を横付けできるオートキャンプ場を選ぶ
駐車場からテントサイトまで荷物を運ぶ必要があるキャンプ場は、妊婦さんには不向きです。荷運びの負担をなくすために、車をサイトの中に乗り入れられる「オートキャンプ場」を選びましょう。
オートサイトであれば、車から荷物を降ろす手間が省けるだけでなく、車自体を収納スペースや休憩場所として活用できます。急な雨が降ってきたときや、体調が悪くなったときに、すぐに車内に避難できるのは大きなメリットです。
また、地面の状態も確認しておきましょう。砂利や石がゴロゴロしているサイトよりも、芝生が整備されているサイトの方が歩きやすく、転倒のリスクが低くなります。予約時に「妊婦がいるので、トイレに近く、地面が平らな場所をお願いしたい」と伝えておくと、配慮してもらえる場合もあります。
マタニティキャンプを快適にする持ち物リスト

妊娠中のキャンプでは、通常のキャンプ道具に加えて、妊婦さんならではの必需品があります。「これがあればもっと快適だったのに」と後悔しないよう、事前にしっかりと準備を整えておきましょう。ここでは、安全と快適さを確保するための持ち物をご紹介します。
母子手帳と保険証は最優先で準備する
【必須アイテム】
・母子健康手帳
・健康保険証
・診察券(かかりつけ医のもの)
・現金(カードが使えない病院に備えて)
・ナプキンやおりものシート(破水や出血の確認用として)
これらは「使うことがないのが一番」ですが、お守りとして必ず持参してください。外出先で急に体調が変化した場合、母子手帳があれば妊娠の経過や血液型などの重要情報を医師に正確に伝えることができます。車の中に入れっぱなしにするのではなく、手持ちのバッグに入れて常に身につけておくようにしましょう。
体を楽にするリラックスアイテム
キャンプでは椅子に座っている時間が長くなります。しかし、アウトドア用の安価な椅子は座面が沈み込みすぎてお腹を圧迫したり、立ち上がるのが大変だったりすることがあります。妊婦さんには、背もたれがしっかりしていて座面が高めの「ハイバックチェア」がおすすめです。腰への負担が減り、立ち座りもスムーズに行えます。
また、就寝時の快適さを高めるために「抱き枕」や「普段使い慣れている枕」を持参しましょう。特に妊娠後期は「シムスの体位(横向き寝)」が楽な姿勢とされていますが、キャンプ用マットの上では姿勢が安定しにくいことがあります。抱き枕があれば、体圧を分散させて楽に眠ることができます。かさばるアイテムですが、車中泊やオートキャンプなら持ち運びも苦になりません。
冷え対策と動きやすさを兼ね備えた衣類
服装は、お腹を締め付けず、着脱しやすいものを選びましょう。マタニティ用のレギンスや、ゆったりとしたワンピースにパーカーを羽織るスタイルなどがおすすめです。足元は、転倒防止のためにスニーカーなどの履き慣れたフラットシューズを選んでください。サンダルは、足が冷えたり、つま先を怪我したりするリスクがあるため、避けた方が無難です。
メモ:
夏場でも「厚手の靴下」と「腹巻」は必ず持っていきましょう。朝晩の冷え込みは想像以上です。足首とお腹を温めるだけで、体調の安定感が大きく変わります。
妊娠中ならではのゆったりとしたキャンプの楽しみ方

妊娠中のキャンプは、今までのようにアクティブに動き回ることはできませんが、だからこそ味わえる贅沢な時間があります。「何もしない」を楽しむことこそ、マタニティキャンプの醍醐味です。ここでは、体に負担をかけずに心を満たす、おすすめの過ごし方をご紹介します。
凝った料理はせず手軽で美味しいものを楽しむ
キャンプ料理というと、火を起こしてダッチオーブンで煮込んで…と張り切りたくなりますが、妊娠中は「頑張らない料理」に徹しましょう。食材を切ったり、長時間火のそばに立ったりするのは体に負担がかかります。
おすすめは、自宅で下準備を済ませておくか、レトルトや冷凍食品を上手に活用することです。例えば、美味しいレトルトカレーを温めて、現地の炊きたてご飯と食べるだけでも、外で食べれば格別の味になります。冬場なら、具材をカット済みの鍋セットを利用するのも良いでしょう。
「手抜き」ではなく「工夫」です。準備や片付けの手間を減らすことで、夫婦で会話を楽しむ時間や、星空を眺める時間を増やすことができます。ノンカフェインのコーヒーやハーブティーを用意して、カフェタイムを充実させるのもおすすめです。
デジタルデトックスで心身ともにリラックス
普段、仕事や出産準備、SNSなどで常に何かに追われている妊婦さんも多いはずです。キャンプ場では、思い切ってスマホを置いて、デジタルデトックスをしてみましょう。鳥のさえずりや川のせせらぎ、風の音に耳を傾けるだけで、自律神経が整い、リラックス効果が得られます。
読書をするのも良いですし、ただ焚き火の炎を眺めるだけでも十分です(※煙を吸い込みすぎないよう、風向きには注意してください)。ママがリラックスして穏やかな気持ちでいることは、お腹の赤ちゃんにとっても最高の胎教になります。ハンモック(転落に注意して低く設置したもの)やリクライニングチェアに身を預けて、お昼寝をするのも最高の贅沢です。
マタニティフォトを自然の中で撮影する
大きくなったお腹は、今しか見られない貴重な姿です。スタジオで撮影するマタニティフォトも素敵ですが、自然光の中で撮る写真はまた違った温かみがあります。新緑や紅葉、夕日をバックに、夫婦で記念写真を撮ってみてはいかがでしょうか。
プロのカメラマンでなくても、三脚を使ってセルフタイマーで撮ったり、お互いを撮り合ったりするだけで楽しい思い出になります。お揃いのアウトドアウェアを着たり、これから生まれてくる赤ちゃんの靴やエコー写真を一緒に写したりするのも人気です。無理にポーズをとらなくても、自然体で笑っている姿が、後から見返したときに一番の宝物になるはずです。
ただし、撮影に夢中になって足元の悪い場所に入り込んだり、体を冷やしたりしないよう注意してください。あくまで安全な場所で、短時間で楽しむのがポイントです。
妊婦とキャンプのまとめ
妊娠中のキャンプは、決して無理をして行くものではありません。しかし、適切な時期を選び、万全の準備と対策を行えば、かけがえのないリフレッシュの時間になります。最後に、今回ご紹介したポイントを振り返ってみましょう。
何よりも大切なのは、ママと赤ちゃんの安全です。少しでも体調に不安がある場合は、勇気を持ってキャンセルする判断も必要です。自然の中でゆったりと深呼吸し、新しい家族を迎える前の静かで温かい時間を、夫婦で大切に過ごしてくださいね。



