自由気ままな旅が魅力の車中泊ですが、多くの人が頭を悩ませるのが「トイレ問題」です。深夜や悪天候時に、車外のトイレへ行くのは億劫ですし、そもそも都合の良い場所にトイレがあるとは限りません。そんな悩みを解決する方法の一つが、車中泊トイレの自作です。
既製品のポータブルトイレは便利ですが、「コストがかかる」「収納場所に困る」といった声も聞かれます。その点、自作トイレなら費用を抑えつつ、自分の車のスペースに合わせたオリジナルのトイレを作ることが可能です。この記事では、100円ショップのアイテムで誰でも簡単に作れる簡易的なものから、座って使える本格的なDIY方法、さらには気になる臭い対策や後処理のマナーまで、車中泊のトイレを自作するための情報をやさしく、そして詳しく解説していきます。
なぜ?車中泊で「トイレ自作」が選ばれる理由

車中泊を快適にする上で、トイレの確保は非常に重要です。公衆トイレなどを利用するのが基本ですが、いざという時のために車内にトイレを備えておくと安心感が格段に上がります。市販のポータブルトイレも多数ありますが、あえて「自作」を選ぶ人が増えているのには、いくつかの理由があります。
既製品にはない!自作トイレのメリット
車中泊用のトイレを自作する最大のメリットは、低コストで自分仕様に作れる点にあります。市販のポータブルトイレは数千円から数万円するものもありますが、自作なら100円ショップの材料などを活用すれば、数百円程度から作成可能です。 例えば、小型のゴミ箱やバケツ、折りたたみコンテナなどをベースにすれば、費用を大幅に抑えることができます。
また、もう一つの大きなメリットは、自分の車のスペースに合わせて大きや形を自由に設計できることです。特に軽自動車やコンパクトカーなど、スペースが限られた車内で車中泊をする場合、既製品ではサイズが合わずに収納場所に困ることがあります。自作であれば、デッドスペースになりがちな助手席の足元やシートの下などにぴったり収まるサイズのトイレを作ることも可能です。 使わない時はコンパクトに収納できる折りたたみ式のトイレを自作するなど、アイデア次第で利便性を高められます。
自作する前に知るべきデメリットと注意点
手軽さが魅力の自作トイレですが、もちろんデメリットも存在します。まず挙げられるのが、安定性と耐久性の問題です。特に簡易的な作りの場合、体重をかけた際に不安定になったり、破損したりするリスクがあります。 大人が安心して使えるようにするには、材料選びや構造に工夫が必要です。体重60kg程度までなら問題なく使えるといった報告もありますが、強度については自己責任での確認が欠かせません。
さらに、臭いや衛生面の管理が既製品に比べて難しくなる点も注意が必要です。排泄物を処理するまでの間、車内に臭いが漏れないように、密閉性の高い容器を選んだり、防臭袋を何重にもしたりといった対策が必須になります。 また、使用後の清掃や消毒もこまめに行わないと、不衛生になりがちです。これらの手間を考慮した上で、自作に挑戦するかどうかを判断することが大切です。
法律やマナーは大丈夫?排泄物の正しい処理方法
自作トイレで最も重要なのが、使用後の排泄物の処理方法です。使用済みの携帯トイレや排泄物が入った袋を、サービスエリアや道の駅のゴミ箱、公衆トイレなどに捨てることは絶対にやめましょう。 これはマナー違反であるだけでなく、不法投棄とみなされる可能性があります。
処理の基本は、「自宅に持ち帰って処理する」ことです。可燃ゴミとして処分できる製品が多いですが、お住まいの自治体のルールを必ず確認してください。 排泄物はビニール袋で何重にも密閉し、さらに防臭袋に入れるなどして、臭いが漏れないように厳重に梱包して持ち帰ります。 RVパークや一部のキャンプ場では、専用の処理施設(ダンプステーション)が設けられている場合もありますので、そうした場所を利用するのも一つの方法です。 自然環境を守り、車中泊という文化を続けるためにも、責任ある処理を心がけましょう。
【超入門】100均グッズでできる!一番簡単な車中泊トイレ自作術

「本格的なDIYは難しそう…」と感じる方でも、100円ショップで手に入るアイテムを使えば、非常用の簡易トイレを驚くほど簡単に自作できます。ここでは、誰でもすぐに真似できる、最も手軽な方法を2つご紹介します。いざという時のために、作り方を覚えておくと大変心強いです。
材料は100均でも!おしっこ用「携帯トイレ」の作り方
最もシンプルなのが、小型のゴミ箱やバケツを使った携帯トイレです。 100円ショップで高さ30cm程度の蓋つきバケツやゴミ箱を用意しましょう。これにスーパーのレジ袋や市販のポリ袋を二重にセットし、中に水分を吸収させるための素材を入れれば完成です。
吸収材には、市販の簡易トイレ用凝固剤を使うのが最も効果的ですが、もし手元になければ代用品も活用できます。 例えば、ペット用のトイレシートや紙おむつ、細かくちぎった新聞紙などが吸収材として使えます。 用を足した後は、内側の袋の口をしっかりと縛り、さらに外側の袋の口も固く縛って臭いを閉じ込めます。 このセットを事前にいくつか準備して車に積んでおけば、渋滞時や災害時にもすぐに対応できて安心です。
凝固剤がない時の代用品、身近なもので解決!
市販の携帯トイレに付属している凝固剤(高吸水性ポリマー)は、水分を素早くジェル状に固め、臭いを抑制する効果があり非常に便利です。 しかし、いざという時に凝固剤が手元にない場合でも、身の回りにあるもので代用が可能です。
代表的な代用品としては、紙おむつや生理用ナプキン、ペット用のトイレシートが挙げられます。 これらには吸水性ポリマーが使われているため、水分をよく吸収してくれます。また、猫を飼っている方なら猫砂も有効です。 特に消臭効果のあるタイプなら、臭い対策にもなります。もし、そういったものも無い場合は、新聞紙やシュレッダーゴミ、おがくずなどを細かくちぎって袋の底に敷き詰めることでも、ある程度の水分を吸収させることができます。 ただし、これらの代用品は凝固剤ほど瞬時に固まるわけではないため、こぼさないように注意深く扱う必要があります。
ペットボトルを活用した簡易トイレの作り方と注意点
男性の場合、緊急時のおしっこ用としてペットボトルを利用する方法もあります。 広口タイプのペットボトルを用意し、使用後はキャップを固く閉めて保管します。非常に手軽な方法ではありますが、いくつかの注意点が必要です。
まず、衛生面の問題です。使用後のペットボトルは雑菌が繁殖しやすいため、長期間の保管は避け、できるだけ早く中身を処理し、ボトルを洗浄・消毒する必要があります。また、誤って飲み物と間違えないように、ボトルにマジックで「トイレ」と大きく書くなど、誰が見てもわかるようにしておくことが極めて重要です。女性の場合は、専用の補助具がないと使用が難しいため、あまり現実的な方法とは言えません。あくまで緊急時の最終手段と捉え、基本的には前述したゴミ箱やバケツを使った方法をおすすめします。
【本格派向け】座って使える!快適な車中泊トイレをDIY

簡易的なトイレでは満足できない、もっと快適性を求めたいという方には、座って使える本格的なトイレの自作がおすすめです。少し手間はかかりますが、市販のポータントイレに近い使用感を得ることができ、長旅や連泊での快適性が格段に向上します。
おがくずが活躍!コンポストトイレの仕組みとは?
近年、環境への配慮から注目されているのがコンポストトイレです。 これは、排泄物をおがくずやココピート(ヤシ殻繊維)などの水分調整材と混ぜ合わせ、微生物の力で分解・堆肥化させる仕組みのトイレです。 水を使わないため、処理が簡単で環境負荷が低いのが大きな特徴です。
車中泊用の自作コンポストトイレでは、大小分離式にすることが一般的です。尿と便を分けることで、臭いの発生を大幅に抑制できます。 便はおがくずなどを入れた容器に溜め、使用ごとにおがくずを上から被せて水分を調整し、臭いを閉じ込めます。尿は別のボトルに溜めて処理します。この仕組みにより、従来のポータブルトイレで問題になりがちだった強烈なアンモニア臭がほとんど発生しないという大きなメリットがあります。
自作コンポストトイレに必要な材料と道具リスト
本格的なコンポストトイレを自作する場合、以下のような材料や道具を準備します。ホームセンターやオンラインストアで揃えることができます。
- 本体ケース:強度のある収納ボックス、ペール缶、木箱など。座っても壊れない頑丈なものを選びます。
- 便座・便フタ:市販の便座セットを利用すると快適性が上がります。
- 大小分離セパレーター:尿と便を分けるための部品。市販品もありますが、プラスチックの漏斗(じょうご)などで自作も可能です。
- 尿タンク:広口のポリタンクやボトルなど。
- 固形物(便)用バケツ:本体ケースに収まるサイズのバケツ。
- 水分調整材:おがくず、ココピート、ピートモスなど。
- 攪拌用のスコップ:使用後に水分調整材を混ぜるための小さなスコップ。
- 工具類:のこぎり、ドリル、ドライバー、メジャー、接着剤、ネジなど。
本体を木材で自作すれば、車の内装に合わせたデザインにすることも可能です。 材料を選ぶ際は、完成後のサイズが車内の設置場所に収まるか、事前にしっかりと採寸しておくことが重要です。
組み立て手順をステップ・バイ・ステップで解説
ここでは、収納ボックスをベースにしたコンポストトイレの基本的な組み立て手順を紹介します。
- 本体の加工:まず、収納ボックスのフタに便座の大きさに合わせて穴を開けます。ジグソーなどがあると綺麗にカットできます。
- 便座の取り付け:カットした穴に合わせて、ボルトとナットで便座をしっかりと固定します。
- セパレーターの設置:便座の穴の前方に、大小分離セパレーターを取り付けます。尿が確実に尿タンクへ流れるように、角度や位置を調整しながら接着剤やネジで固定します。
- 尿タンクへの配管:セパレーターの排出口から尿タンクへ、ホースやパイプを接続します。液体が漏れないように、接続部分はコーキング剤などでしっかりと密閉します。
- 内部にバケツを設置:本体ケースの中に、固形物用のバケ-ツと尿タンクを設置します。バケツには、あらかじめ水分調整材を数センチ敷いておきます。
これで基本的な構造は完成です。使用時は、用を足した後に固形物用バケツの中身をスコップで軽く混ぜ、上から新しい水分調整材を被せておきます。尿タンクは、溜まったら中身をトイレに流して処理します。
もっと快適に!車中泊トイレ自作の便利アイデア

自作トイレが完成したら、次にもっと快適に使えるように工夫を加えてみましょう。プライバシーの確保や臭い対策、小物の収納といった小さなアイデアが、車中泊の質を大きく向上させます。
プライバシーは最重要!「目隠し」の工夫
車内でトイレを使用する上で、プライバシーの確保は最も重要なポイントの一つです。 特に窓が大きい車種の場合、外からの視線が気になって落ち着いて用を足せません。まずは、全ての窓にサンシェードやカーテン、マルチシェードなどを取り付けて、外から中が見えないようにしましょう。100円ショップのアイテムでも、吸盤式のサンシェードやカーテンクリップなどを活用して目隠しを作ることができます。
さらに、運転席と後部座席の間をカーテンで仕切ることで、よりプライベートな空間を作り出すことができます。 突っ張り棒と布を使えば、簡単に取り外し可能な間仕切りカーテンが完成します。ポンチョ型のレインコートなどを羽織って用を足すのも、手軽で効果的な目隠し方法です。 このように、複数の方法を組み合わせることで、安心して使えるトイレ環境を整えることができます。
消臭・防臭対策で快適空間をキープするコツ
自作トイレで最も気になるのが臭いの問題です。 対策を怠ると、せっかくの車中泊が不快なものになってしまいます。まず基本となるのが、排泄物を入れる袋を防臭袋にすることです。専用の防臭袋は驚くほど臭いをシャットアウトしてくれるので、必ず用意しておきましょう。袋を二重、三重にするのも効果的です。
凝固剤を使用する場合は、消臭効果のあるタイプを選ぶと良いでしょう。 また、コンポストトイレの場合は、使用後にしっかりとおがくずなどを被せて攪拌することが臭いを抑えるポイントです。 それでも臭いが気になる場合は、車用の消臭スプレーや置き型の消臭剤を併用しましょう。 特に、排泄物臭に効果のあるものを選ぶのがおすすめです。トイレを使用した後は、短時間でも換気扇を回したり、窓を開けたりして空気を入れ替える習慣をつけることも大切です。
あれば便利!トイレットペーパーホルダーや小物の収納
トイレットペーパーやウェットティッシュ、消臭スプレー、予備のゴミ袋など、トイレ周りには意外と小物が必要です。これらが散らかっていると、いざという時にさっと使えず不便です。そこで、小物をまとめて収納できるスペースを確保しましょう。
例えば、自作トイレの側面にフックを取り付けて、トイレットペーパーホルダーや小物を入れたポーチを引っ掛けられるようにするだけでも、使い勝手は格段に向上します。 壁掛け式のポケットや、マジックテープで固定できる小さな収納ボックスなどを活用するのも良いでしょう。ウェットティッシュや除菌ジェルなどもすぐに手が届く場所に置いておくと、衛生的に使用できます。こうしたちょっとした工夫で、自作トイレがより機能的で快適な空間になります。
まとめ:自分に合った車中泊トイレの自作で快適な旅を実現しよう

この記事では、車中泊におけるトイレ問題を解決するため、トイレを自作する方法に焦点を当てて解説してきました。
100円ショップのアイテムで手軽に作れる簡易トイレから、座って使える本格的なコンポストトイレまで、予算や車のスペース、DIYのスキルに合わせて様々な選択肢があることがお分かりいただけたかと思います。
自作トイレのメリットは、低コストで自分の車に合わせたオリジナルのトイレが作れる点にあります。一方で、安定性や臭い対策、そして何よりも使用後の適切な処理といった注意点をしっかりと理解しておくことが重要です。マナーを守って処理することは、車中泊を長く楽しむための必須条件です。
プライバシー確保のための目隠しや、快適性を高めるための消臭対策、小物収納などの工夫を加えれば、自作トイレはさらに便利なものになります。この記事を参考に、ぜひあなただけのオリジナル車中泊トイレ作りに挑戦し、より自由で快適な車中泊の旅を楽しんでください。


