車中泊の旅に出かけるとき、意外と見落としがちなのが「脱いだ靴をどこに置くか」という問題です。限られた車内のスペースで、泥や汚れがついた靴の置き場に困った経験はありませんか。なんとなく空いている場所に置いてしまい、寝返りを打った拍子に触れてしまったり、車内が汚れてしまったりすると、せっかくの楽しい気分も台無しになってしまいます。
特に雨の日や、複数人で車中泊をする場合は、靴の置き場一つで車内の快適さが大きく変わります。そこで今回は、車中泊初心者の方でもすぐに実践できる靴の置き場アイデアや、便利な収納グッズ、そして臭いや汚れへの対策について詳しくご紹介します。靴のストレスを解消して、よりリラックスできる車中泊ライフを楽しみましょう。
車中泊の靴置き場はどうする?基本の考え方と場所選び

車中泊において、靴の置き場をあらかじめ決めておくことは、居住スペースを清潔に保つための第一歩です。家と同じように「玄関」としての役割を持つ場所を作ることで、気持ちの切り替えもしやすくなります。まずは、靴置き場を決める際の基本的な考え方と、おすすめの場所について見ていきましょう。
車内を汚さないための「境界線」を作る
車中泊では、土足エリアと土足禁止エリア(居住スペース)の境界線が曖昧になりがちです。この境界線がはっきりしていないと、靴の裏についた砂や泥がベッドや寝袋にまで上がってきてしまうことがあります。これを防ぐためには、靴を脱ぐ場所を一点に決めることが大切です。
例えば、スライドドアの入り口付近や、運転席の後ろなど、「ここで靴を脱ぐ」という定位置を決めます。その場所にトレイやマットを敷くことで、視覚的にもエリア分けができます。境界線が明確であれば、暗い夜中にトイレに行く際も、スムーズに靴を履くことができますし、戻ってきたときも迷わずに済みます。
防犯面を考えて「車内保管」を基本にする
キャンプ場などでは、テントの外に靴を脱いで置くことが一般的ですが、車中泊の場合は「車内保管」を基本にすることをおすすめします。車の外やタイヤの上に靴を置いておくという方法もありますが、これにはいくつかのリスクが伴います。
一つ目は盗難のリスクです。道の駅やサービスエリアなど、不特定多数の人が出入りする場所では、高価なアウトドアシューズやサンダルが盗まれてしまう可能性があります。二つ目は天候の変化です。夜露で濡れてしまったり、急な雨でぐしょぐしょになってしまったりすることは珍しくありません。また、山間部ではキツネなどの野生動物が靴を持って行ってしまうこともあります。安心して眠るためにも、靴は車の中にしまうのが鉄則です。
就寝スペースと干渉しない場所を見つける
靴置き場を決めるときに最も悩ましいのが、就寝スペースとの兼ね合いです。フルフラットにしたベッドキットの下や、座席の足元など、寝ているときに体が触れない場所を確保する必要があります。
特に気をつけたいのが、頭の近くに靴を置かないことです。どんなに綺麗にしていても、靴には独特の臭いや湿気があります。睡眠の質を下げないためにも、靴は足元側や、顔から遠いドア付近に配置するようにしましょう。ミニバンなどの広い車であれば、ステップ部分(乗り降りの足場)を有効活用するのが定番ですが、軽自動車などの狭い空間では、より工夫した場所選びが求められます。
次からは、具体的な収納アイデアや便利グッズについて、手軽にできるものから順にご紹介していきます。
すぐに実践できる!100均グッズを活用した靴収納術

特別な道具を買い揃えなくても、身近にある100円ショップのアイテムを工夫するだけで、立派な靴置き場を作ることができます。コストをかけずに、まずは試してみたいという方におすすめのアイデアをご紹介します。今日からすぐに実践できるものばかりですので、ぜひ参考にしてみてください。
定番の「プラスチックトレイ」で汚れをガード
最も簡単で効果的な方法は、プラスチック製のトレイを活用することです。A4サイズ程度の書類用トレイや、浅めの収納ケースが靴置きとして大活躍します。これを足元や入り口に置いて、その中に靴を入れるだけです。
トレイを使う最大のメリットは、靴についた泥や砂、水滴が車内のフロアマットに落ちるのを防げることです。もしトレイが汚れても、トレイごと外に出して水洗いしたり、ウェットティッシュで拭き取ったりするだけで掃除が完了します。車内を清潔に保つための「受け皿」として、一人一枚用意しておくと非常に便利です。使わないときは重ねて収納できるのも嬉しいポイントです。
「ハンギングラック」で座席裏を有効活用
床のスペースが狭くて靴を置く場所がない場合は、空中のスペースを活用しましょう。運転席や助手席のヘッドレストに吊り下げるタイプの収納ポケットや、ウォールポケットを利用する方法です。
100円ショップには、様々なサイズの吊り下げ収納グッズが販売されています。靴がすっぽり入るサイズのポケットがついたものを選べば、即席のシューズラックになります。特にサンダルや薄手のスニーカーなど、比較的軽い靴の収納に向いています。床に物を置かないため、就寝スペースをフルに使うことができ、掃除もしやすくなるというメリットがあります。
「S字フック」と「シューズハンガー」で吊るす
アシストグリップ(天井付近にある手すり)や、車内のバーにS字フックをかけ、そこにシューズハンガーを吊るすという方法もあります。シューズハンガーは、洗濯物を干すコーナーなどで靴用のものが販売されています。
この方法は、濡れてしまった靴を乾かしたいときにも有効です。エアコンの風が当たる場所に吊るしておけば、翌朝までに乾きやすくなります。ただし、走行中は揺れて危険な場合があるため、あくまで就寝中や休憩中のアイデアとして活用してください。靴底が壁や天井に触れないよう、向きを工夫するか、ビニール袋をかぶせてから吊るすと安心です。
雨の日は「大きめのビニール袋」が最強
雨の日や、泥汚れがひどい場合に備えて、大きめのビニール袋やレジ袋を常備しておくことも立派な収納術です。特別なグッズではありませんが、いざという時にこれほど役立つものはありません。
汚れた靴をそのままビニール袋に入れて口を縛ってしまえば、車内のどこに置いても汚れが広がる心配がありません。例えば、助手席の足元に放り込んでおいても大丈夫ですし、臭いが気になるときは二重にして密閉することもできます。見た目はおしゃれではありませんが、実用性と撤収の早さはピカイチです。使用済みの袋はゴミ袋として再利用できるため、無駄もありません。
本格派におすすめ!車内スペースを活かすDIYと専用アイテム

車中泊の回数が増えてくると、より使いやすく、見た目もスマートな収納を求めたくなるものです。ここでは、少しの手間で劇的に快適になるDIYのアイデアや、専用のアイテムを使った収納術をご紹介します。車種や自分のスタイルに合わせて取り入れてみてください。
運転席・助手席の足元を「デッドスペース活用」
就寝時に意外と使われていないのが、運転席や助手席の足元スペースです。特に後部座席をフラットにしてベッドにするスタイルの場合、前席の足元は完全なデッドスペースになります。
ここを靴専用の収納場所として活用しましょう。就寝前に、脱いだ靴を運転席の足元へ移動させるのです。このとき、先ほど紹介したトレイを敷いておけば完璧です。この方法のメリットは、居住スペースである後部座席が一切狭くならないことです。ソロでの車中泊なら、助手席の足元に靴だけでなく、リュックやクーラーボックスなどの荷物をまとめて置くことで、寝床を広々と確保できます。
ステップ部分に「簡易棚」を作る
ハイエースやキャラバン、あるいはミニバンのような車種では、スライドドアを開けたところにある「ステップ(階段状の足場)」が比較的広めに作られています。この段差を利用して、靴箱のような棚をDIYする人が増えています。
ホームセンターで板をカットしてもらい、ステップの上に渡すだけで、簡単な二段ラックが出来上がります。下の段にサンダル、上の段にメインの靴を置くといった使い分けが可能です。板を置くことで床面がフラットになり、車内への出入りもしやすくなります。100円ショップのすのこを組み合わせるだけでも、通気性の良い簡易棚が作れますので、DIY初心者の方にもおすすめです。
シートの隙間を埋める「専用オーガナイザー」
市販の車用収納グッズの中には、シートの隙間や背面に取り付ける高機能なオーガナイザーがあります。これらは「キックガード」と呼ばれることもあり、本来は子供が靴でシートを蹴って汚すのを防ぐためのものですが、ポケットが充実しているタイプは靴収納としても優秀です。
下部に大きめのマチ付きポケットがあるタイプを選べば、そこに靴をすっぽりと収納できます。専用品だけあって、車のインテリアに馴染むデザインのものが多く、見た目にこだわりたい方におすすめです。車中泊仕様の車ではない普段使いの車でも、違和感なく設置しておけるのが嬉しいポイントです。
ルーフネットで「天井収納」に挑戦
軽バンやハイトワゴンなど、天井が高い車におすすめなのが、天井収納です。アシストグリップを利用して「インテリアバー」や「ルーフネット」を取り付け、そこに靴を収納する方法です。
靴をそのまま乗せると砂が落ちてくる可能性があるため、シューズバッグや不織布の袋に入れてからネットに乗せます。この場所は、就寝中に絶対に邪魔にならない究極のデッドスペース活用と言えます。普段あまり履かない予備の靴や、長靴などを保管しておく場所としても最適です。頭上の空間を有効に使うことで、床面を広々と使うことができます。
雨の日や臭い対策も重要!快適さを保つためのポイント

車中泊で最も靴のトラブルになりやすいのが、「雨で濡れた靴」と「靴の臭い」です。密閉された狭い車内では、湿気や臭いがこもりやすく、対策をしないと不快な夜を過ごすことになります。ここでは、快適な環境を維持するための具体的な対策をご紹介します。
濡れた靴は「防水バッグ」や「バケツ」へ
雨の日に濡れた靴をそのまま車内に持ち込むと、湿度が上がり、ガラスが結露する原因にもなります。また、泥水が垂れて床を汚してしまうこともあります。そこで活躍するのが、アウトドア用の防水バッグ(ドライバッグ)や、折りたたみ式のバケツです。
車に乗り込んだら、すぐに濡れた靴を防水バッグに入れて口を閉じます。これで湿気と汚れを完全にシャットアウトできます。ドライバッグは密閉性が高いため、臭い漏れも防いでくれます。翌日晴れたら、バッグから出して乾燥させればOKです。100円ショップでも手に入る園芸用の防水シートを袋状にして使うのも効果的です。
「重曹」や「炭」で強力消臭
車中泊では、自分自身の靴の臭いが気になって眠れないということも起こり得ます。消臭スプレーも有効ですが、香りで誤魔化すタイプは、狭い車内では逆に匂いがきつくなってしまうことがあります。
おすすめなのは、無臭で強力な消臭効果を持つ「重曹」や「炭」などの自然素材を使うことです。お茶パックや不織布の袋に重曹や木炭を入れ、それを靴の中に入れておきます。これらは湿気も一緒に吸い取ってくれるため、一石二鳥の効果があります。使い終わった重曹は掃除にも使えるため、無駄がありません。コーヒーをよく飲む方は、乾燥させたコーヒーの出し殻(かす)を袋に入れて入れておくのも、非常に高い消臭効果が期待できます。
新聞紙を活用した「乾燥テクニック」
濡れた靴を早く乾かしたいときや、湿気を吸い取りたいときは、新聞紙が最強のアイテムになります。くしゃくしゃに丸めた新聞紙を靴の中に隙間なく詰め込むだけで、驚くほど水分を吸収してくれます。
ポイントは、新聞紙が湿ったらすぐに新しいものと交換することです。これを数回繰り返すだけで、翌朝の不快感が大きく軽減されます。新聞紙は汚れた靴を包んだり、トレイの下に敷いたりと、様々な用途に使える万能アイテムなので、車中泊の際は数日分をストックしておくと安心です。
こまめな換気で空気を入れ替える
どんなに対策をしていても、長時間閉め切った車内では空気が淀んでしまいます。雨が降っていないタイミングを見計らって窓を少し開け、空気を循環させることが大切です。
USBファンなどの小型扇風機を使って、足元の空気を動かすだけでも効果があります。特に、靴置き場の近くに空気がたまらないように風を当てておくと、乾燥も早まり、臭いの拡散も防げます。ベンチレーター(換気扇)が付いていない車の場合は、対角線上の窓を少し開けることで効率よく換気ができます。
そもそも車中泊に向いている靴とは?脱ぎ履きのしやすさが重要

収納方法も大切ですが、「どんな靴を履いていくか」という選択も、車中泊の快適さを左右する大きな要素です。普段履いているスニーカーやブーツが、必ずしも車中泊に向いているとは限りません。ここでは、車中泊に適した靴の選び方について解説します。
脱ぎ履きの手間がない「スリッポン」や「モックシューズ」
車中泊の旅では、車内と車外を行き来する回数が意外と多いものです。トイレ休憩、お風呂、買い出し、景色の撮影など、そのたびに靴紐を結んだり解いたりするのは大きなストレスになります。
そこでおすすめなのが、手を使わずにスポッと履ける「スリッポン」や「モックシューズ」です。特にかかとが踏める2WAYタイプのシューズは、ちょっとした移動の際はサンダルのように使え、しっかり歩くときはかかとを入れてスニーカーのように使えるため、車中泊には最適です。アウトドアブランドやワークマンなどから、暖かくて機能的なモックシューズが多く発売されています。
リラックス用として「サンダル」を常備する
メインの靴とは別に、車内や車の周辺だけで使うためのサンダル(クロックスタイプなど)を一足常備しておくのが、ベテラン車中泊ユーザーの常識です。
運転中はしっかりした靴を履き、車中泊スポットに着いたらすぐにサンダルに履き替えます。これだけで足の締め付けから解放され、リラックスモードに入ることができます。また、夜中のトイレなど、暗い中で急いで外に出る際も、サンダルがあれば非常にスムーズです。冬場はボア付きのサンダルを選ぶと、足先の冷えも防げます。
雨対策には「防水シューズ」が安心
天候が変わりやすい季節や場所に行く場合は、防水透湿素材(ゴアテックスなど)を使ったシューズを選んでおくと安心です。雨が降っても靴下が濡れないため、車内に湿気を持ち込むリスクを減らすことができます。
最近では、見た目は普通のスニーカーなのに完全防水という商品も増えています。これなら晴れの日でも違和感なく履け、急な雨にも対応できます。長靴は脱ぎ履きが大変で収納場所も取るため、ショート丈の防水ブーツや、防水スニーカーを選ぶのが車中泊においては賢い選択と言えるでしょう。
車中泊の靴選び 3つのポイント
・靴紐がない、または結び直す必要がないもの
・かかとを踏んでも大丈夫な素材、またはサンダル
・多少の雨や泥に強い防水・撥水機能
まとめ:車中泊の靴置き場を工夫して、旅の夜をストレスフリーに過ごそう
車中泊において「靴置き場」は小さな問題のように思えますが、実は車内の快適性や清潔さを保つための非常に重要なポイントです。靴の置き場所が定まっていないと、車内が泥だらけになったり、就寝スペースが狭くなったりと、じわじわとストレスが溜まってしまいます。
今回ご紹介したように、まずは100円ショップのトレイを用意することから始めてみてください。慣れてきたら、自分の車の形状に合わせたDIYに挑戦したり、脱ぎ履きのしやすい靴を選んだりと、スタイルに合わせて工夫を重ねていくのがおすすめです。
また、雨の日や臭い対策として、ビニール袋や消臭アイテムを準備しておくことも忘れないでください。靴に関する悩みを解消できれば、車中泊の夜はもっと広く、清潔で、リラックスできる時間になります。ぜひ、あなたにぴったりの靴収納方法を見つけて、快適な車中泊の旅を楽しんでください。




